第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 |
事例
無登録貸金業者(45)ら11人は、16年3月ころから18年8月ころにかけて、関東と九州との間を車で移動しながら、移動した先々で「即決融資OK」等の広告を電柱にはり付けるなどして融資を勧誘し、約5,000人に約4億4,000万円を貸し付け、法定金利の約50倍から約90倍の利息を他人名義の口座に振り込ませて受領するなどした。19年10月までに、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(以下「出資法」という。)違反(高金利)、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(以下「組織的犯罪処罰法」という。)違反(犯罪収益等隠匿)等で逮捕した(静岡、福岡、大分)。 |
事例1
健康食品販売会社役員(61)ら17人は、15年5月ころから17年6月ころにかけて、「当社に1口50万円を出資すれば5年間で100万円、300万円以上出資すれば出資額の2.5倍の金額を支払う」などとして、顧客約1万3,000人から約537億円をだまし取った。19年1月、詐欺罪で逮捕した(警視庁、福岡、静岡)。 |
事例2
福祉機器販売会社役員(55)ら3人は、10年3月ころから17年9月ころにかけて、「銀行の代わりに私にお金を預けてもらえば、高い金利を払うし、必要なときにはすぐに返金する」などとして、聴覚障害者ら約270人から約27億円をだまし取った。19年2月、詐欺罪で逮捕した(警視庁、山梨)。 |
事例3
無登録証券会社役員(58)ら11人は、16年11月ころから18年2月ころにかけて、上場予定のない会社の株券を、「上場確実な優良企業の未公開株を販売している。初値は購入価格の2倍以上になる」などとして購入を持ち掛け、取引経験のない高齢者ら約2,800人から約33億円をだまし取った。19年6月までに、詐欺罪で逮捕した(愛知)。 |
事例1
住宅リフォーム会社役員(30)ら5人は、17年4月ころから19年3月ころにかけて、床下点検を装って主に高齢者宅を訪問し、破損していない排水管を故意に破壊した上で、「排水管が壊れている。全部取り替えなければだめだ」などと告げ、約4,000人に修繕工事の契約を締結させるなどした。19年3月、特定商取引に関する法律違反(不実の告知)、詐欺罪等で逮捕した(北海道)。 |
事例2
印鑑販売会社役員(65)ら14人は、15年4月ころから18年3月ころにかけて、姓名判断や家相鑑定と称して主に高齢者宅を訪問し、印鑑の売買契約の締結について勧誘する際、「字画も家相も良くないので、このままでは家族が早死にする。魔よけの鬼門封じの印鑑を作ればすべて良くなる」などと長時間居座って執拗に売買契約の締結を勧誘し、約3万人に高額な印鑑の売買契約を締結させるなどした。19年5月までに、特定商取引に関する法律違反(威迫困惑)で逮捕した(福岡)。 |
第1節 罪種別犯罪情勢とその対策 |
前の項目に戻る | 次の項目に進む |