第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動

第1節 罪種別犯罪情勢とその対策

1 街頭犯罪・侵入犯罪

(1) 街頭犯罪・侵入犯罪の情勢
 平成19年中の主な街頭犯罪の認知件数は87万6,346件、主な侵入犯罪の認知件数は20万4,811件と、それぞれ前年より6万7,268件(7.1%)、3万3,578件(14.1%)減少した。
 中でも、路上強盗、ひったくり、街頭における強姦、街頭における恐喝、自動車盗、オートバイ盗、車上ねらい、部品ねらい、侵入強盗、侵入窃盗及び住居侵入の認知件数は、いずれも大幅に減少している。
 しかし、減少したとはいえ、街頭犯罪・侵入犯罪の発生数は、依然として高い水準にあることに変わりはなく、過去10年間で、路上強盗は1.4倍、街頭における強制わいせつは1.9倍、街頭における暴行は4.0倍、侵入強盗は1.3倍、住居侵入は2.1倍と、それぞれ増加している。
 
 図1-1 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成10~19年)
図1-1 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成10~19年)
 
 図1-2 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成10~19年)
図1-2 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成10~19年)

(2) 主な街頭犯罪の認知・検挙状況
〔1〕 路上強盗
 路上強盗の認知件数は、平成8年以降増加を続け、15年には7年の4.8倍となった。しかし、16年から減少に転じ、19年中は1,537件と、前年より222件(12.6%)減少した。検挙件数及び検挙人員も、8年以降増加を続けていたが、16年から減少に転じ、19年中の検挙件数は621件、検挙人員は855人と、それぞれ前年より167件(21.2%)、198人(18.8%)減少した。検挙人員の50.4%は少年である。
 
 図1-3 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)
図1-3 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)

〔2〕 ひったくり
 ひったくりの認知件数は、3年から14年にかけて毎年増加し続けていたが、15年から減少に転じ、19年中は2万3,687件と、前年より3,141件(11.7%)減少した。増加傾向にあった検挙件数及び検挙人員も同じく、15年から減少していたが、19年中の検挙件数は1万1,321件と、前年より1,231件(12.2%)増加し、検挙人員は1,524人と、128人(7.7%)減少した。検挙人員の52.2%は少年である。
 
 図1-4 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成10~19年)
図1-4 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成10~19年)

〔3〕 自動車盗
 自動車盗の認知件数は、11年から13年にかけて急増し、以降横ばいで推移していたが、16年から減少に転じ、19年中は3万1,790件と、前年より4,268件(11.8%)減少した。19年中の検挙件数は1万3,507件と、前年より219件(1.6%)増加し、検挙人員は2,380人と、676人(22.1%)減少した。
 
 図1-5 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)
図1-5 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)

(3) 主な侵入犯罪の認知・検挙状況
〔1〕 侵入強盗
 侵入強盗の認知件数は、平成10年以降急増し、15年には9年の2.9倍となったが、16年から減少に転じ、19年中は1,700件と、前年より196件(10.3%)減少した。検挙件数及び検挙人員は、9年以降増加傾向にあったが、17年から減少に転じ、19年中の検挙件数は1,140件、検挙人員は968人と、それぞれ前年より61件(5.1%)、139人(12.6%)減少した。
 このうち、住宅に侵入して行われた強盗の19年中の認知件数は439件と、前年より106件(19.4%)減少した。また、深夜にコンビニエンスストアやスーパーマーケットを対象に行われた強盗(注)の19年中の認知件数は457件と、前年より70件(13.3%)減少した。

注:午後10時から午前7時までの間に、営業しているコンビニエンスストアやスーパーマーケットの売上金等を目的として敢行された強盗

 
 図1-6 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)
図1-6 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)

〔2〕 侵入窃盗
 10年以降増加していた侵入窃盗の認知件数は、15年から減少に転じ、19年中は17万5,728件と、前年より2万9,735件(14.5%)減少した。19年中の検挙件数は9万6,266件、検挙人員は1万2,037人と、それぞれ前年より4,558件(4.5%)、397人(3.2%)減少した。
 
 図1-7 侵入窃盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)
図1-7 侵入窃盗の認知・検挙状況の推移(平成10~19年)

 第1節 罪種別犯罪情勢とその対策

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