警察白書の発表に際して 

平成19年警察白書の刊行に当たって

 警察白書は、我が国の警察活動の現況を広く国民の皆様に理解していただくために作成しているものです。
 本年は、「暴力団による資金獲得活動との対決」と題する特集を組みました。
 暴力団は、伝統的には、覚せい剤の密売、恐喝等の違法行為を通じて活動資金を獲得しておりましたが、経済社会の変化に対応して資金獲得活動を多様化・巧妙化させてきています。最近では、証券取引の分野にまで介入するようになってきています。
 そこで、この特集では、暴力団による資金獲得活動の最近の特徴的動向や戦後から現在までの資金獲得活動の変遷について述べるとともに、暴力団のいない安全で安心な社会を実現するために国民の皆様と協働して取り組むべき課題について記述しました。
 また、本年から、特集以外にも特に強調して国民の皆様にお伝えしたい事項をトピックスとして取り上げることとし、「子どもを犯罪から守るための取組み」等、5つの課題について解説しています。
 さらに、最新の治安情勢や治安再生への道筋を確実なものとするための警察活動の現況等について記述するとともに、「警察活動の最前線」では、現場で活躍する警察職員が率直な心情をつづった手記を掲載しています。
 平成19年警察白書においては、より多くの方々にお読みいただけるよう、頁数を減らすとともに、図表や写真を多く用いた分かりやすい説明に心掛けました。この白書が、警察行政に対する国民の皆様の御理解を一層深めることに役立ちますとともに、今後の警察活動に対して、皆様から多くの御支援、御協力を賜りますことを心から願うものであります。

 平成19年7月

 警察庁長官  漆 間 巌


 警察白書の発表に際して

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