第5章 公安委員会制度と警察活動の支え 

2 公安委員会の活動

(1)国家公安委員会

 国家公安委員会では、所掌事務に属する事項について審議、決裁を行うほか、警察庁から重要な事件、事故及び災害の発生状況とこれらに対する警察の取組み、治安情勢を踏まえた政策の方針等様々な警察業務に関する事項について、所要の報告を徴しつつ、警察庁を管理している。平成18年中は、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律施行規則等、29の国家公安委員会規則を制定した。
 また、国家公安委員会の活動を国民に知らせ、国民の声をその運営に的確に反映させるため、ウェブサイトで定例会議の開催状況等を紹介するとともに、電子メール等により国民からの要望、意見等を受け付けている。
 このような国家公安委員会の活動の充実を図るため、警察庁に国家公安委員会会務官が置かれ、その補佐等に当たっている。
 
 図5-3 国家公安委員会と都道府県公安委員会
図5-3 国家公安委員会と都道府県公安委員会
 
 国家公安委員会の定例会議
国家公安委員会の定例会議

事例1
 18年10月、国家公安委員会委員は、鹿児島県を訪れ、民間被害者支援団体を視察し、意見交換を行った。

事例2
 18年12月、国家公安委員会委員長は、広島県を訪れ、年末警戒の状況等を視察した。
 
 年末警戒の視察に際し、防犯ボランティアとあいさつを交わす国家公安委員会委員長(中央)
年末警戒の視察に際し、防犯ボランティアとあいさつを交わす国家公安委員会委員長(中央)


(2)都道府県公安委員会

 都道府県公安委員会では、所掌事務に属する事項について審議、決裁を行うほか、重要な事件、事故及び災害の発生状況等とこれらに対する警察の取組み、各都道府県の治安情勢を踏まえた政策の方針等様々な警察業務について、所要の報告を徴し、都道府県警察を管理している。
 また、公安委員会補佐室等を活用し、国民の要望を聴く活動を通じて、警察に対する管理機能の充実と活性化に努めている。

事例1
 徳島県公安委員会委員長は、平成18年5月、那賀警察署を訪れ、度重なる台風により土石流が発生し、甚大な被害を受けた地域の復興状況を視察した。
 
 台風被害の復興状況について説明を受ける徳島県公安委員会委員長(右)
台風被害の復興状況について説明を受ける徳島県公安委員会委員長(右)

事例2
 千葉県公安委員会では、18年6月、成田国際空港警察署を視察し、同警察署幹部から説明を受けたほか、同警察署員と第一線の活動状況等について意見交換を行った。。

事例3
 茨城県公安委員会では、18年11月、少年非行対策や社会問題化しているいじめ問題への対応について、県教育委員会と意見交換を行い、相互に緊密な連携を図っていくことを確認した。

(3)公安委員会相互間の連絡

 国家公安委員会と各都道府県公安委員会は、それぞれ独立した機関であるが、相互に緊密な連携を保つため、各種の連絡会議を開催するなどしている。平成18年中は、国家公安委員会と全国の都道府県公安委員会との連絡会議を2回開催し、また、国家公安委員会委員が各地を訪問するなどして、全国の治安情勢や各都道府県公安委員会の活動等についての報告や意見交換を行った。
 また、18年中は、各管区及び北海道において、管内の府県公安委員会相互、道公安委員会と方面公安委員会相互の連絡会議が合計14回開催され、これに国家公安委員会委員も参加した。さらに、都、道、府及び指定県に置かれる13の公安委員会相互の連絡会議を開催し、各都道府県の治安情勢やそれぞれの取組みについての報告や意見交換を行った。
 
 公安委員会相互の連絡会議
公安委員会相互の連絡会議

 2 公安委員会の活動

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