6 道路交通のIT化
(1)警察によるITS(注1)(高度道路交通システム)
警察では、最先端の情報通信技術等を用いて交通管理の最適化を図るため、光ビーコン(注2)の機能を活用して、次の3つのシステムを始めとするUTMS(注3)(新交通管理システム)の開発・整備を推進し、安全・円滑かつ快適で環境負荷の低い交通社会の実現を目指している。
〔1〕 DSSS(注4)(安全運転支援システム)
VICS(注5)対応カーナビゲーション装置を通じ、運転者に周辺の交通状況等を視覚・聴覚情報により提供することで、危険要因に対する注意を促し、ゆとりを持った運転ができる環境を作り出すことにより、交通事故を防止することなどを目的としたシステム(平成18年度から、追突への注意喚起の情報を簡易図形で提供するシステム等の効果を検証するモデル事業を東京都内で実施)
図3-15 安全運転支援システム
〔2〕 PTPS(注6)(公共車両優先システム)
バス等の大量公共輸送機関を優先的に走行させる信号制御を行い、定時運行と利便性の向上を図るシステム(18年度末現在、40都道府県で整備)
図3-16 公共車両優先システム
〔3〕 FAST(注7)(現場急行支援システム)
人命救助その他の緊急業務に用いられる車両を優先的に走行させる信号制御等を行い、現場到着時間の短縮及び緊急走行に伴う交通事故防止を図るシステム(18年度末現在、11都道府県で整備)
(2)ITSに関する国際協力の推進
技術開発の分野では、広い視野をもって検討を行うことが必要であることから、他国との共同プロジェクトの推進等国際的な協力関係の樹立が重要である。警察庁では、平成18年10月、英国ロンドンで開催された第13回ITS世界会議(世界75か国から産学官の関係者約7,300人が参加)に参加し、安全運転支援システムの研究開発の状況等を紹介するなどして、ITSに関する情報交換や協力体制の構築を図った。
また、警察庁は、米国運輸省交通安全局との間で署名した、交通安全、ITS及び緊急時対応の協力に関する文書に基づき、19年1月、米国で会議を開催し、両国が推進するITSに関する施策について情報交換を行った。
第13回ITS世界会議