第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

4 犯罪防止に配慮した環境設計

(1)公共施設や住宅の安全基準の策定等

 警察庁では、犯罪防止に配慮した環境設計を行うことにより、犯罪被害に遭いにくいまちづくりを推進するため、平成12年2月、道路、公園、駐車・駐輪場等の防犯基準や共同住宅に関する防犯上の留意事項を定めた「安全・安心まちづくり推進要綱」を制定した。
 15年7月、関係省庁と共に、市街地の特性に応じた防犯対策等を取りまとめた「防犯まちづくりの推進について」を公表するなど、更なる検討を行い、18年4月には、安全・安心まちづくり推進要綱を改正し、住宅等の防犯性能の向上や防犯に配慮した公共施設等の整備及び管理の一層の推進を図っている。
 
 図1-54 犯罪防止に配慮した環境設計による犯罪被害に遭いにくい生活環境の確保
図1-54 犯罪防止に配慮した環境設計による犯罪被害に遭いにくい生活環境の確保

(2)共同住宅や駐車場の防犯性能の認定・登録制度

 警察では、防犯関係団体と協力して、防犯に配慮した構造や設備を有するマンションや駐車場を防犯優良マンション、防犯モデル駐車場として登録又は認定する制度の構築を推進している。平成19年3月末現在、防犯優良マンション制度は、13都道府県(北海道、東京、千葉、静岡、福井、京都、大阪、広島、山口、徳島、愛媛、大分、沖縄)で、防犯モデル駐車場制度は、8都府県(東京、千葉、福井、京都、大阪、広島、大分、沖縄)で整備・運用されている。
 
 防犯に配慮したマンションの認定制度
防犯に配慮したマンションの認定制度
 
 防犯に配慮した駐車場の認定制度
防犯に配慮した駐車場の認定制度

(3)街頭防犯カメラ等の整備

 警察では、犯罪の防止や事件発生後の捜査活動に資するため、平成19年3月末現在、9都府県で337台の街頭防犯カメラを整備している。これらは、強盗事件等の犯人検挙の証拠としてその記録映像が活用されるなどしており、地区内の刑法犯認知件数の減少に効果を上げている。また、地方公共団体や商店街等が、地域の防犯活動の一環として街頭防犯カメラを設置する例も増えている。
 緊急時には警察への通報等も可能な街頭緊急通報システム(スーパー防犯灯)及び子ども緊急通報装置(注)は、国からの補助事業等として整備が進められ、19年3月末現在、全国でそれぞれ57地区計526基、57地区計390基が設置されている。

注:街頭緊急通報システム(スーパー防犯灯)は、非常用赤色灯、非常ベル、防犯カメラ、インターホン等を備えた防犯灯で、緊急時には警察への通報や映像の伝送をすることができるものであり、子ども緊急通報装置は、非常用赤色灯、非常ベル、通報者撮影カメラ、インターホン等を備えた装置で、通学路、児童公園等に設置され、これも、緊急時には警察へ通報をすることができる。これらは、国からの補助事業等のほか、都道府県の独自事業としても整備されている。

 
 街頭緊急通報システム
街頭緊急通報システム
 
 子ども緊急通報装置
子ども緊急通報装置

 第3節 安全で安心な暮らしを守る施策

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