第1章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

3 街頭犯罪・侵入犯罪

(1) 街頭犯罪・侵入犯罪の情勢

 平成18年中の主な街頭犯罪の認知件数は94万3,614件、主な侵入犯罪の認知件数は23万8,389件と、それぞれ前年より14万2,883件(13.2%)、4万3,110件(15.3%)減少した。
 中でも、街頭における略取・誘拐、自動販売機ねらい、街頭における恐喝、自動車盗、路上強盗、車上ねらい、ひったくり、部品ねらい、オートバイ盗、侵入強盗、侵入窃盗及び住居侵入の認知件数は、いずれも大幅に減少している。
 しかし、減少したとはいえ、街頭犯罪・侵入犯罪の発生数は、依然として高い水準にあることに変わりはなく、過去10年間で、路上強盗は1.7倍、街頭における強制わいせつは1.9倍、街頭における暴行は4.0倍、侵入強盗は1.9倍、住居侵入は2.5倍と、それぞれ増加している。
 
 図1-9 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成9~18年)
図1-9 主な街頭犯罪の認知件数の推移(平成9~18年)
 
 図1-10 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成9~18年)
図1-10 主な侵入犯罪の認知件数の推移(平成9~18年)

(2)主な街頭犯罪の認知・検挙状況

〔1〕 路上強盗
 路上強盗の認知件数は、平成8年以降増加を続け、15年には7年の4.8倍となった。しかし、16年から減少に転じ、18年中は1,759件と、前年より433件(19.8%)減少した。検挙件数及び検挙人員も、8年以降増加を続けていたが、16年から減少に転じ、18年中の検挙件数は788件、検挙人員は1,053人と、それぞれ前年より48件(5.7%)、232人(18.1%)減少した。また、検挙人員の約5割は少年である。
 
 図1-11 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)
図1-11 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)

〔2〕 ひったくり
 ひったくりの認知件数は、3年から14年にかけて毎年増加し続けていたが、15年から減少に転じ、18年中は2万6,828件と、前年より5,189件(16.2%)減少した。増加傾向にあった検挙件数及び検挙人員も同じく、15年から減少に転じ、18年中の検挙件数は1万90件、検挙人員は1,652人と、それぞれ前年より316件(3.0%)、199人(10.8%)減少した。また、検挙人員の約5割は少年である。
 
 図1-12 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成9~18年)
図1-12 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成9~18年)

〔3〕 自動車盗
 自動車盗の認知件数は、11年から13年にかけて急増し、以降横ばいで推移していたが、16年から減少に転じ、18年中は3万6,058件と、前年より1万670件(22.8%)減少した。18年中の検挙件数は1万3,288件、検挙人員は3,056人と、それぞれ前年より1,610件(10.8%)、310人(9.2%)減少した。
 
 図1-13 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)
図1-13 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)

(3)主な侵入犯罪の認知・検挙状況

〔1〕 侵入強盗
 侵入強盗の認知件数は、平成10年以降急増し、15年には9年の2.9倍となったが、16年から減少に転じ、18年中は1,896件と、前年より309件(14.0%)減少した。検挙件数及び検挙人員は、9年以降増加傾向にあったが、17年から減少に転じ、18年中の検挙件数は1,201件、検挙人員は1,107人と、それぞれ前年より127件(9.6%)、148人(11.8%)減少した。
 このうち、住宅に侵入して行われた強盗の18年中の認知件数は545件と、前年より158件(22.5%)減少した。また、深夜にコンビニエンスストアやスーパーマーケットを対象に行われた強盗(注)の18年中の認知件数は527件と、前年より34件(6.1%)減少しているが、過去10年間で3.8倍に増加している。

注:午後10時から午前7時までの間に、営業しているコンビニエンスストアやスーパーマーケットの売上金等を目的として敢行された強盗

 
 図1-14 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)
図1-14 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)

〔2〕 侵入窃盗
 10年以降増加していた侵入窃盗の認知件数は、15年から減少に転じ、18年中は20万5,463件と、前年より3万9,313件(16.1%)減少した。18年中の検挙件数は10万824件、検挙人員は1万2,434人と、それぞれ前年より3,630件(3.5%)、130人(1.0%)減少した。
 
 図1-15 侵入窃盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)
図1-15 侵入窃盗の認知・検挙状況の推移(平成9~18年)

 第1節 最近の犯罪情勢とその対策

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