第1章 安全・安心なインターネット社会を目指して

第1節 国民の生活を脅かすインターネット社会の現実

 近年めざましい発展を遂げている情報通信ネットワークは、国民生活の利便性を向上させ、社会・経済の根幹を支えるインフラとして機能するようになった一方で、わいせつ画像、規制薬物の売買情報、爆弾の製造方法等の違法・有害情報がインターネット上に氾濫し、これがインターネット利用者に悪影響を与え、犯罪の引き金になる事件も多発している。
 特に、少年の健全育成に悪影響を与えかねないインターネット上の情報に少年が気軽にアクセスできる状況が放置されており、実際に少年が児童買春等の被害に遭うといった事件が後を絶たない。
 また、最近は、スパイウェア等の高度な技術を利用した犯罪が発生し、社会問題化する一方で、インターネット社会自体がインターネット・オークションを利用した詐欺や知的財産権侵害事犯のような新たな形態の犯罪を生み出している。
 さらに、インターネットの急速な普及に伴って、国際テロ組織や国際テロリストも様々な形でインターネットを利用するようになっており、顕在化するサイバーテロの脅威とともに我が国の公共の安全の維持にとって大きな問題となっている。
 この節では、インターネット社会が国民生活を脅かしているこのような現実について記述する。

 第1節 国民の生活を脅かすインターネット社会の現実

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