平成17年警察白書の刊行に当たって  警察白書は、国民が安心して暮らせる安全な社会を確立するための警察活動の現況を広く国民の皆様に理解していただくために作成しているものです。  本年は、第1章で「世界一安全な道路交通を目指して」と題する特集を組みました。  昨年も交通事故で、7千人を超える方が亡くなり、その発生件数も増加を続けています。中でも、社会の高齢化に伴い、高齢者の交通事故の問題も深刻化しているところです。そこで、この特集では、戦後の交通警察活動の変遷と現行の施策体系のあらましを紹介し、その効果の検証を行うとともに、高齢者の交通事故防止対策を始めとする、今後の重要課題について記述しました。  また、犯罪の国際化が進展し、「一国治安主義」が過去のものとなる中、第2章で「国際社会における日本警察の活動」と題した特集を組み、日本警察が行う諸外国との捜査協力、諸外国の犯罪対処能力向上のための支援等の現状と課題を記述しました。  さらに、第3章以下では、治安の回復を願う国民の期待にこたえ、厳しい犯罪情勢に対処し、「世界一安全な国、日本」の復活を図るための各種治安対策について記述しました。  加えて、本年からの新企画として、「警察活動の最前線」と題し、現場で活躍する警察職員が率直な心情をつづった手記を十数編掲載しています。  この白書が、警察行政に対する皆様の御理解を一層深めることに役立ちますとともに、多くの御支援、御協力を賜りますことを心から願うものであります。 平成17年8月 警察庁長官  漆間 巌