11 国民に開かれた警察活動を目指して (1) 警察署協議会  警察は、地域の犯罪や交通事故を防止するなどの様々な活動を行うに際して、住民の意見・要望を十分に把握しなければならない。また、その活動が効果を上げるためには、住民の理解と協力を得ることが不可欠である。  そのため、原則として全国のすべての警察署に警察署協議会が置かれており、警察署長が警察署の業務について住民の意見を聴くとともに、理解と協力を求める場として活用されている。その委員については、都道府県公安委員会が、警察署の管轄区域内の住民のほか、地方公共団体や学校の職員等、地域の安全に関する問題について意見、要望等を表明するにふさわしい者に委嘱している。平成17年6月1日現在、1,242署に協議会が設置され、総委員数は1万978人である。 図7-7 警察署協議会委員に対するアンケートの結果 事例1  福井県三国警察署協議会で、委員が「自分たちの街は自分たちで守るため、防犯ボランティア団体を結成できないか」との意見を述べたことを受け、同署は、住民に対し「三国安全・安心圏(犬)ネットワーク2004」の設立を提案した。これは、飼い犬を散歩させる際に不審者、危険箇所等を発見すれば、その情報を警察署に通報するという活動を行うものである。16年6月の活動開始以降、自殺企図者の発見、家出少年の保護等の成果を上げている。 三国安全・安心圏(犬)ネットワーク2004 事例2  岐阜県垂井警察署協議会で、委員が「小学校の通学路にある歩行者用信号の青の時間が短く、集団登校の列が途切れることがあるので、改善してほしい」との意見を述べたことを受け、同署は、16年6月、青信号の時間を調整した。 (2) 情報公開  警察庁では、警察庁訓令・通達公表基準に基づいて、訓令及び施策を示す通達を原則として公表することとし、ウェブサイトに掲載している。また、文書の閲覧窓口を設置し、警察白書や統計、報道発表資料等の文書を一般の閲覧に供している。  平成16年度中は、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づく開示請求が、国家公安委員会に対して2件、警察庁(附属機関及び地方機関を含む。)に対して313件行われ、その開示・不開示の判断を国家公安委員会・警察庁における情報公開審査基準に基づき適切に行った。 (3) 政策評価  国家公安委員会と警察庁は、「国家公安委員会及び警察庁における政策評価に関する基本計画」を踏まえて、平成16年12月には、17年に実施する政策評価の概要を記載した計画を策定し、現在、これに基づいて政策評価を実施している。 表7-5 平成16年中の政策評価実施状況 (4) 行政情報の電子的提供・行政手続等の電子化  国家公安委員会と警察庁は、「国家公安委員会及び警察庁における行政情報の電子的提供の推進に関する実施方針」を策定し、ウェブサイト等による行政情報の提供を推進している。  また、「国の警察機関が行う行政手続等の電子化推進に関するアクション・プラン」に基づき、警察機関に係る行政手続等をインターネットを利用して行えるようにする取組みを推進しており、警察庁では、平成14年度末から電子申請・届出システムの運用を開始した。16年度末現在、窓口で現物を交付するなどの手続が不可欠なものを除き、すべての行政手続等が、インターネットを通じて行うことができるようになった。