不法滞在を許さないために
愛知県警察本部警備部外事課長
後藤修二 警視
当課では、来日外国人犯罪の温床となっている不法滞在の取締りと、その支援組織の壊滅のための捜査を推進しており、最近では、東京にある外国人登録証明書、旅券、運転免許証等の偽造工場を摘発しました。捜査員を東京に派遣するときは、被疑者の居場所や事件の証拠等を掴んできてくれることを願いつつ、無理をして手の内が漏れ、偽装工作が行われることも懸念されたので、指揮官として大いに悩んだ場面でした。しかし、経験豊富な捜査員たちのおかげで、数箇月にわたる捜査を成功させることができました。
この事件では、偽造文書に施されるホログラムシールの供給元が中国国内にあることなどが判明しましたが、我が国では、様々な国籍の不法滞在者が全国各地に分散して「偽造ネットワーク」を形成し、外国の犯罪組織と連携しながら活動していることが明らかとなっており、その実態解明は非常に困難です。
この偽造工場の摘発により、多くの不法滞在を未然に防止できたと思いますし、それは愛知県にとどまらず、日本全体の治安を良くすることにもつながるのだと考えながら、今日も「いい事件をやろう」と部下を励ましています。
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