(2) 警察官の殉職・受傷
警察官は、個人の生命、身体及び財産を保護し、公共の安全と秩序の維持に当たるため、自らの身の危険を顧みず職務を遂行し、その結果、不幸にして殉職・受傷する場合がある。
平成16年8月には、大阪府天満警察署地域課の警察官が、交通違反をした車両に停車を求め、職務質問をしようとしたところ、突然後退してきた車両にひかれ、殉職した。警察では、被疑者を検挙するための果敢な職務執行をたたえて警察庁長官名による表彰を行うとともに、遺族に賞じゅつ金を支給した。また、大阪府警察は、現場から逃走した車両を運転していた元暴力団員を、同月、殺人罪、公務執行妨害罪、覚せい剤取締法違反等で逮捕した。
また、同年10月には、京都府久美浜警察署地域課の警察官が、台風23号による大雨で陥没した道路にカラーコーンを設置し、通行する車両の安全を確保しようとしていたところ、道路沿いの増水した川へ転落し、殉職した。警察では、住民が被害に遭うことを防止するために行った果敢な職務執行をたたえて警察庁長官名による表彰を行うとともに、遺族に賞じゅつ金を支給した。
このように、殉職・受傷した警察官又はその家族に対しては、公務災害補償制度による公的補償のほか、賞じゅつ金の支給等の措置がとられている。