第7章 公安委員会制度と警察活動の支え 

5 警察の体制

(1) 定員
 [1] 平成17年度の警察職員の定員
 平成17年度の警察職員の定員は28万5,112人であり、そのうち7,501人が警察庁の定員、27万7,611人が都道府県警察の定員である。

 
表7-2 警察職員の定員(平成17年度)

表7-2 警察職員の定員(平成17年度)
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 [2] 地方警察官の増員
 警察官1人当たりの負担人口は、欧米諸国と比べて非常に多い。また、16年中の刑法犯の認知件数、重要犯罪の認知件数、110番通報の受理件数は、元年より、それぞれ1.5倍、2.6倍、2.2倍に増加した。これらにより、警察の事務量は著しく増大したにもかかわらず、地方警察官の条例定員数は、国や地方の財政が厳しいなどの事情により、同期間中に10%しか増加していない。

 
図7-3 警察官一人当たりの負担人口

図7-3 警察官一人当たりの負担人口
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 そこで、13年度に2,580人、14年度に4,500人、15年度に4,000人、16年度に3,150人の地方警察官の増員を図ってきたが、現下の厳しい治安情勢に的確に対応するためには、17年度以降、更に約1万人の増員が必要であることから、17年度は3,500人を増員することとした。犯罪対策閣僚会議が策定した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」でも、「警察力の更なる強化を目指した地方警察官の増員を図る」とされており、今後も増員を図ることとしている。

 
図7-4 警察官数と各種件数の推移(指数表)

図7-4 警察官数と各種件数の推移(指数表)
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(2) 警察官の採用
 平成16年度には約17万7,700人が警察官採用試験を受験し、合格者数は約1万5,300人、競争倍率は11.6倍であった。
 数年後には、毎年1万人を超える数の警察官が退職する大量退職時代が到来することなどから、新規採用者数を増加させる必要が生じる。一方、就職適齢人口の減少が見込まれるほか、民間企業の採用が活発化するなど、警察官の採用をめぐる環境は厳しさを増している。
 こうした状況の中、多くの優秀な人材が警察官を志望するよう、様々な職種で活躍する警察官の言葉をウェブサイトや広報誌で紹介するなどの取組みを行っている。また、筆記試験の成績を過度に重視することなく、面接試験等を充実させ総合的な人物評価を行うなど、能力と適性を有する優秀な人材の確保に努めている。

 
(3) 女性職員の活躍
 警察では、従来から女性の採用に積極的に取り組んでおり、平成14年度以降は、毎年1,000人を超える女性警察官が採用されている。17年4月1日現在、全国の都道府県警察には、女性の警察官約1万1,600人、一般職員約1万2,000人が勤務しており、幹部への登用も進んでいる。都道府県警察で採用され警部以上の階級にある者は、17年4月1日現在、85人である。
 とりわけ、女性が被害者となる性犯罪や配偶者からの暴力事案等では、捜査や被害者対策に女性職員の能力や特性が生かされているほか、従来はほとんど女性が配置されていなかった暴力団対策、警衛・警護等の分野にも、その職域が拡大している。

 
鑑識活動をする女性警察官
鑑識活動をする女性警察官

 
(4) 勤務形態
 警察は、24時間の警戒態勢を確保しており、多くの警察官が交替制勤務や夜間勤務に従事している。また、治安情勢の悪化から、勤務時間外に長期にわたり困難な業務に当たることも多い。このような勤務の特殊性にかんがみ、職員の健康管理の充実、年次休暇の計画的取得の促進、超過勤務手当等の給与の改善、勤務環境を改善するための施設整備等を図っている。

 5 警察の体制

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