第6章 公安の維持と災害対策 

3 サイバーテロ対策

 平成16年8月には、中央省庁等のウェブサーバに対して大規模なサイバー攻撃が行われ、一時的にウェブサイトへの接続が困難な状況になるなど、重要インフラ(情報通信、金融、航空、鉄道、電力、ガス、行政サービス等)の基幹システムに対するサイバーテロの脅威が現実のものとなっている。

(1) 重要インフラ事業者等との連携強化
 各都道府県警察では、サイバーテロ対策プロジェクトを立ち上げ、サイバーテロの攻撃対象となり得る重要インフラ事業者等を訪問し、情報システムの実態を把握するとともに、事案発生時には迅速に通報と証拠保全措置を行うよう要請している。また、講習会を開催し、情報セキュリティに関する助言をするなど、連携の強化に努めている。

 
重要インフラ事業者等に対する講習会
重要インフラ事業者等に対する講習会

 
(2) サイバーフォースの充実強化
 警察庁の内部部局及び各管区警察局には、サイバーフォースという特に高度な技術を備えた職員で構成した組織を設置しており、24時間体制で、サイバーテロの予兆の把握や事案の早期認知に努めている。また、事案発生時に的確に対処することができるよう、最先端技術の習得、国際会議等での海外関係機関との情報交換、サイバー攻撃からの防衛技術に関する調査研究等を行っている。

 
(3) インターネット利用者への情報提供
 インターネット利用者がサイバーテロ等の危険性を正しく認識するとともに、適切な対策が自主的に講じられるよう、平成15年3月から、警察庁セキュリティポータルサイト(「@police」)を開設し、警察が集約した情報セキュリティに関する情報をいち早く公開している。このウェブサイトでは、新たにコンピュータ・ウイルスが発見されたり、各種プログラムの欠陥が明らかとなったりした際に、これを速やかに公開するほか、インターネットの安全な利用方法について学習できる「@police セキュリティ講座」、警察が収集した各種情報に分析を加えて取りまとめた報告書である「インターネット治安情勢」等を公開している。

 
警察庁セキュリティポータルサイト(「@police」)
警察庁セキュリティポータルサイト(「@police」)

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