第5章 安全かつ快適な交通の確保 

4 交通安全施設等の整備

(1) アウトカム目標の達成に向けた交通安全施設等整備事業の推進
 [1] 新たな制度の下での交通安全施設等整備事業
 警察では、多発する交通事故を緊急かつ効果的に防止するため、昭和41年以降、交通安全施設等整備事業長期計画に即して、道路管理者と協力して、信号機を始めとする交通安全施設等の整備を推進してきた。この長期計画は、事業の計画的な推進に大きな役割を果たしてきたが、平成15年度以降は、交通安全施設等、道路、港湾その他の社会資本の整備について、事業を一層重点的、効果的かつ効率的に推進するため、従来の事業分野別の長期計画を統合した「社会資本整備重点計画」が策定され、横断的な取組みや事業間連携の更なる強化を図ることとされた。

 
図5-3 従来の事業分野別の長期計画の統合

図5-3 従来の事業分野別の長期計画の統合

 [2] アウトカム目標の設定
 社会資本整備重点計画では、事業により達成されるべきアウトカム(成果)目標が定められており、警察の行う交通安全施設等整備事業に係るものは、主として次のとおりである。警察では、これらの達成に向け、道路管理者と連携して、交通安全施設等整備事業の重点的、効果的かつ効率的な推進に努めている。
○ あんしん歩行エリアの整備
 ・ エリア内の死傷事故の抑止…19年までに約2割抑止(歩行者・自転車事故については約3割抑止)
○ 歩行空間のバリアフリー化の推進
 ・ 信号機のバリアフリー化率…約4割(14年)→約8割(19年)
○ 事故危険箇所対策の推進
 ・ 対策実施箇所の死傷事故の抑止…19年までに約3割抑止
○ 信号機の高度化等
 ・ 死傷事故の抑止…19年までに約44,000件を抑止
 ・ CO2の排出の抑止…19年までに約70万t-CO2を抑止
 ・ 交差点等の通過時間の短縮…19年までに対策実施箇所において約1割短縮

 
(2) 交通管制の高度化
 自動車交通量が年々増加するなか、都市部では、慢性化した交通渋滞と多発する交通事故が都市機能を著しく阻害している。
 警察では、信号機や交通管制システムの機能の高度化を図り、この問題を解決しようとしている。交通管制センターは、その中心となる施設であり、道路上の信号機、交通情報板、車両感知器等と接続され、複雑・過密化した都市部の自動車交通を適切に配分・誘導している。

 
図5-4 交通管制システムの構成

図5-4 交通管制システムの構成

 4 交通安全施設等の整備

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