第4章 組織犯罪対策 

2 来日外国人犯罪組織等の動向

(1) 来日外国人による共犯事件の多発
 来日外国人による刑法犯の検挙件数に占める共犯事件の割合は、過去10年間で2.2倍に高まった。平成16年中は69.0%と、日本人(19.0%)の3.6倍となっている(注)。また、日本人による共犯事件の65.8%が2人組によるものであるが、来日外国人の場合は3人組以上によるものが71.0%を占める。
 特に侵入盗では、共犯事件の割合が89.1%と極めて高く、37.9%は4人組以上によるものである。強盗では、日本人によるものも共犯事件の割合が高く、32.8%となっているが、来日外国人によるものは68.8%が共犯事件であり、2倍以上の開きがある。
 このように、来日外国人による犯罪は、日本人によるものと比べて多人数で行われる場合が多く、来日外国人犯罪の組織化が進展していることがうかがえる。


注:共犯事件の比率を算定するに当たり、来日外国人と日本人との共犯事件については、主たる被疑者の国籍・地域により、来日外国人による共犯事件であるか、日本人による共犯事件であるかを分類して計上している。

 
図4-19 来日外国人刑法犯の検挙件数に占める共犯事件割合の推移(平成7~16年)

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図4-20 来日外国人と日本人の刑法犯の共犯率の違い(平成16年)

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(2) 国際犯罪組織の特徴
 近年、日本国内の不法滞在者等が、より効率的に利益を得ることなどを目的に、国籍や出身地等の別により集団化し、日本の暴力団や外国に本拠を置く国際犯罪組織と連携して、悪質な犯罪を引き起こす事例が目立っている。
 不法入国には国際的な密航請負組織である「蛇頭(じゃとう)」が関与し、盗難車両の密輸出にはロシア人犯罪組織が関与するなど、様々な段階で連携が図られている。また、韓国人の集団が武装してすりを行うなど、外国に本拠を置く国際犯罪組織が我が国で活動する事例もみられる。

 
図4-21 検挙事例にみる来日外国人犯罪組織の特徴

図4-21 検挙事例にみる来日外国人犯罪組織の特徴

 第4節 来日外国人犯罪対策

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