第3章 生活安全の確保と犯罪捜査活動 

2 重要犯罪

(1) 重要犯罪の認知・検挙状況
 重要犯罪(殺人、強盗、放火、強姦、略取・誘拐及び強制わいせつをいう。)の認知件数は、平成11年以降、強盗と強制わいせつを中心に急激に増加したが、16年中は2万2,568件と、前年より1,403件(5.9%)減少した。
 重要犯罪の検挙件数、検挙人員は、過去10年間増加傾向にあるが、16年中の検挙件数は1万1,812件、検挙人員は9,931人と、それぞれ前年より550件(4.4%)、855人(7.9%)減少した。

 
図3-2 重要犯罪の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

図3-2 重要犯罪の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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(2) 殺人の認知・検挙状況
 殺人の認知件数は、過去10年間大きな変化はない。平成16年中は1,419件(前年比33件(2.3%)減)であったが、一度に多数の人が殺害される凶悪な事件が発生し、注目を集めた。

 
表3-1 殺人の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

表3-1 殺人の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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事例
 16年8月、無職の男(47)は、自宅近くにある2軒の民家で住人を次々と刃物で刺して、男性4人、女性3人を殺害し、女性1人に重傷を負わせた。同月、殺人罪等で逮捕した(兵庫)。

 
(3) 強盗の認知・検挙状況
 強盗の認知件数、検挙件数、検挙人員は、平成8年以降増加していたが、16年中の認知件数は7,295件(前年比369件(4.8%)減)、検挙件数は3,666件(前年比189件(4.9%)減)、検挙人員は4,154人(前年比544人(11.6%)減)と、いずれも前年より減少した。

 
図3-3 強盗の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

図3-3 強盗の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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事例
 16年1月から9月にかけて、無職の男(27)は、愛知県でタクシー運転手を殺害して現金等を奪い、また、長野県で独居の男性1人、女性2人を殺害して現金等を奪った。同年11月までに、強盗殺人罪等で逮捕した(長野、愛知)。

 
(4) 放火の認知・検挙状況
 平成16年中の放火の認知件数は2,174件(前年比104件(5.0%)増)、検挙件数は1,513件(前年比65件(4.5%)増)、検挙人員は867人と、いずれも前年より増加した。

 
表3-2 放火の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

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(5) 強姦の認知・検挙状況
 平成16年中の強姦の認知件数は2,176件(前年比296件(12.0%)減)、検挙件数は1,403件(前年比166件(10.6%)減)、検挙人員は1,107人(前年比235人(17.5%)減)と、いずれも前年より減少した。

 
表3-3 強姦の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

表3-3 強姦の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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(6) 略取・誘拐の認知・検挙状況
 平成16年中の略取・誘拐の認知件数は320件(前年比36件(12.7%)増)、検挙件数は232件(前年比1件(0.4%)増)、検挙人員は187人(前年比36人(23.8%)増)と、いずれも前年より増加した。

 
表3-4 略取・誘拐の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

表3-4 略取・誘拐の認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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事例
 16年11月、新聞配達員の男(36)は、1人で下校中の小学校低学年の女児を車に乗せて連れ去り、自宅の浴室で溺死させた後、死体を遺棄した。17年1月までに、誘拐罪、殺人罪及び死体遺棄罪で逮捕した(奈良)。

 
(7) 強制わいせつの認知・検挙状況
 平成16年中の強制わいせつの認知件数は9,184件(前年比845件(8.4%)減)、検挙件数は3,656件(前年比237件(6.1%)減)、検挙人員は2,225人(前年比48人(2.1%)減)と、いずれも前年より減少した。認知件数は、過去10年間で2.5倍に増加した。

 
表3-5 強制わいせつの認知・検挙状況の推移(平成7~16年)

表3-5 強制わいせつの認知・検挙状況の推移(平成7~16年)
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 第1節 最近の犯罪情勢とその対策

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