(2) 反グローバリズム運動  1999年(平成11年)に米国のシアトルで開催された世界貿易機関(WTO)第3回閣僚会合以降、欧米各地で、反グローバリズムを訴えるNGOの呼び掛けにより、国際会議の開催等をとらえて大規模な抗議行動が行われ、一部に過激な暴動も発生している。  15年中は、6月にフランスのエビアンで開催された主要国首脳会議や、9月にメキシコのカンクンで開催されたWTO第5回閣僚会合に対する大規模な抗議デモが、それぞれ現地周辺で行われ、いずれも参加者の一部が暴徒化し、警官隊と衝突した。  国内では、13年12月以降、反グローバリズムを掲げる海外団体の日本支部が設置されるとともに、各地に関連組織が結成されるなど、運動基盤の広がりがみられる。15年中は、こうした勢力を中心に、2月に東京で開催されたWTO非公式閣僚会合に対する抗議集会等が開かれたのを始め、前記の主要国首脳会議やWTO第5回閣僚会合の際には、現地行動に呼応して、国内での抗議行動や開催地への代表団の派遣が行われた。15年9月にアラブ首長国連邦のドバイで開催された国際通貨基金(IMF)・世界銀行会議に際し行われたIMFアジア太平洋地域事務所(東京)への抗議行動では、警察の警備実施部隊に対する公務執行妨害罪で参加者が逮捕される事案が発生した。 メキシコ・カンクンでのWTO閣僚会合に対する抗議行動(2003年(15年)9月)(写真提供:ロイター=共同)