(3) 外国に本拠を置く国際犯罪組織  国際的な密航請負組織である「蛇頭(じゃとう)」は、中国での密航の勧誘、引率、搬送、船舶や偽造旅券の調達、日本での密航者の受け入れ、隠匿を行うなど、国境を越えて暗躍している。  また、ロシア人犯罪組織による盗難車の密輸出事件やロシア人女性の売春事件、韓国人グループによるすり事件等、外国に本拠を置く国際犯罪組織が我が国で活動する例も多くみられる。 ロシアに輸出される中古自動車 事例1 平成15年10月、京都市内で開催されていた時代祭の見物人のショルダーバッグから現金入りの財布を抜き取った3人グループのうち、2人の韓国人の男を窃盗罪で逮捕した。事件当時、両名は頻繁に来日しており、うち1人は犯行時にナイフを所持していた(京都)。 事例2 15年10月、八戸港に入港した中国船籍貨物船に対し、函館税関八戸支署とともに船内検索中の八戸海上保安部から「機関室内から覚せい剤約2キログラムを発見した。その際に中国人船員1人が逃走した」旨の通報を受け緊急配備を実施し、逃走した船員を発見、確保するとともに、海上保安部・税関と合同で同船舶の船内を検索した結果、船員居室の天井裏に潜んでいた中国人密航者7人を発見し、入管法違反(不法入国)で逮捕した。  また、海上保安部、税関との合同捜査の結果、密航者を輸送した中国人船員20人、日本での出迎え役の中国人3人を同法違反(輸送等)で、船員1人を覚せい剤取締法違反で逮捕した(青森)。