2 環境犯罪への対応 (1) 環境犯罪対策の推進  警察では、環境を破壊する犯罪のうち、特に、廃棄物の不法投棄事犯等を重点取締り対象とし、組織的・広域的な事犯、暴力団が関与する事犯、行政指導を無視して行われる事犯等を中心に、排出事業者の責任追及や原状回復を念頭に置いた取締りを強化している。また、関係機関に必要な情報を提供して行政措置の発動を支援し、環境被害の拡大防止と早期の原状回復を促している。  平成15年中は、軽油引取税の脱税を目的とした軽油の密造に伴って生成される硫酸ピッチやスラッジの不法投棄等の不適正処分事犯が急増し、検挙事件数は21事件、検挙人員は118人、17法人であったほか、複数の都道府県にまたがる広域事件の検挙事件数も132事件で、いずれも10年の統計開始以降最多となった。また、産業廃棄物事犯のうち、行政指導を無視して行われたものは52事件であった。 表3-31 廃棄物事犯の検挙事件数(平成11~15年) 事例 静岡県の産業廃棄物処理業者(60)らは、静岡県の再三の行政指導を無視して、14年10月以降15年2月ころまでの間、同県内の自社廃棄物処分場において、神奈川県の解体業者から受け入れた木くず等270立方メートルを不法投棄した。15年6月までに、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反で1法人、16人を検挙した(神奈川、静岡)。