第9章 公安委員会制度と警察活動のささえ 

(2) 被留置者の収容状況

 平成15年中の被留置者の年間延べ人員は約527万人(1日平均約1万4,400人)で、過去10年間で約2.2倍に増加した。同期間中、外国人被留置者の年間延べ人員は約3.2倍に増加しており、増加率が特に著しい。
 増加の原因としては、犯罪情勢の悪化に伴い逮捕人員が増加したこと、犯罪の広域化、複雑・多様化や来日外国人犯罪の増加等により捜査が長期化し、留置期間も長期化したこと、拘置所等行刑施設で収容人員が増加したことにより、これらへの移監が停滞していることが考えられる。
 留置場の収容率(収容基準人員に対する被留置者の割合)は、16年5月20日現在、全国平均で83.5%に達している。特に大都市及びその周辺部を管轄する警察の状況は厳しく、静岡県警察が117.6%、栃木県警察が113.8%、大阪府警察が113.3%、愛知県警察が107.3%、警視庁が104.0%と著しく高率である。少年と成人、女性と男性を一緒に留置できないなどの制約があることから、収容率が約7割から約8割に達した時点で実質的に収容力は限界に達しているのが通例であり、留置場の収容力不足は深刻である。
 また、移監待機率(被留置者数に占める拘置所等への移監を待っている者(注)の割合)は、16年5月20日現在、全国平均で19.1%と高率になっている。中でも、山梨県警察で41.8%となっているなど、9の県警察で30%を超えており、留置場の高収容率の一因となっていることがうかがえる。

 
表9-4 被留置者延べ人員の推移(平成6~15年)

表9-4 被留置者延べ人員の推移(平成6~15年)
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注:起訴されるなど捜査がおおむね終了した場合は、拘置所等行刑施設へ移監されるのが一般的である。

 8 留置業務の管理運営

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