第7章 公安の維持 

(3) 「パナウェーブ」の動向と対策

 「パナウェーブ」は、平成6年頃から「会長が左翼勢力からスカラー波(電磁波)攻撃を受けている」と主張し、電磁波の発生源であるとして電柱や鉄塔等を調査してきたと称する集団である。会員が白装束を身にまとい、西日本の山間部を中心に自動車で隊列を組んで、移動しながら調査のためとして道路を不法占拠したり、山林への立入りを地主に強要したりするなど、違法行為や迷惑行為を繰り返していた。最近は、「ニビル星の地球接近により、15年5月に地球が滅亡する」などと終末論的な主張を行い、一部の会員が集団施設への避難を始めていた。
 15年4月、マスコミが集団の活動状況等を大きく報道し、全国的な注目が集まったが、集団が活動や主張に関する合理的な説明を行わなかったことから、通過地周辺の住民の不安が高まり、住民が集団の車列の侵入を阻止する行動等を行うまでになった。
 警察は、この集団に関する情報収集を強化するとともに、違法行為に対する厳正な取締りを推進し、15年5月以降16年2月までに「気合い入れ」と称して複数の会員が他の会員に集団で暴行し傷害を負わせた事件(暴力行為等処罰ニ関スル法律違反)等で4件、25人を検挙した(警視庁、福井、岐阜)。

 
パナウェーブに対する捜索(福井)

パナウェーブに対する捜索(福井)

 7 オウム真理教等の動向と対策

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