第7章 公安の維持 

(3) 集団密航事件

 平成9年に73件、1,360人を検挙した集団密航事件は、同年をピークに減少に転じ、以降、おおむね大幅な減少傾向にある。15年中に警察及び海上保安庁が検挙した集団密航事件の数は26件、139人であった。
 船舶による事案では、主流であった仕立て船により多人数を運搬する手法が影を潜め、ここ数年は、より発見されにくい少人数での船倉への潜伏やコンテナ密航によるものが多い。一方、航空機による事案は依然活発で、旅券の偽変造技術の発達に伴い、密航の形態が、不衛生で日数のかかる船舶によるものから、より安全で快適な航空機によるものに移行しつつある。
 警察では、事件の背後に「蛇頭(じゃとう)」等の国際犯罪組織が関わっていることから、関係省庁と連携して、中国当局に対策の強化等を申し入れるほか、外国捜査機関との情報交換を積極的に行い、共同摘発や捜査協力を更に推進することとしている。

 4 不法入国・不法滞在者問題

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