第6章 安全かつ快適な交通の確保 

(2) 適正な交通事故事件捜査の推進

 各都道府県警察本部の交通捜査担当課に事故捜査指導官を配置し、警察署が取り扱う事故事件のうち、原因の究明が困難なものについて、実地に指導を行うなど、組織的な捜査により、適正な交通事故事件捜査の推進に努めている。
 特に、一方の当事者が死亡し、又は重体であることなどから事情聴取ができない事故や、当事者の言い分が食い違う事故については、初期の段階から組織的な捜査を推進し、目撃者や物証の確保等に努めている。
 また、ひき逃げ事件については、迅速な初動捜査を行うとともに、現場こん跡画像検索システム等の交通鑑識資機材を効果的に活用し、被疑者の早期検挙に努めている。

 
交通事故の捜査

交通事故の捜査

事例1
平成15年3月に発生した死亡ひき逃げ事件について、初動の現場鑑識で発見したごま粒大の塗膜片から加害車両の車種を割り出し、被疑者を特定した。さらに、衝突後、被害者を車底に巻き込み、数百メートル走行したという被疑者の運転行動から被疑者の殺意を立証し、15年4月に殺人罪、道路交通法違反(救護措置義務違反)等で検挙した(大阪)。

事例2
15年11月に発生した死亡ひき逃げ事件について、衝突箇所から約50メートル離れた場所に遺留された約10センチメートル大のプラスティック片から加害車両の車種を特定し、15年12月に業務上過失致死罪及び道路交通法違反(救護措置義務違反)で検挙した(警視庁)。

 12 適正かつ科学的な交通事故事件捜査

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