第6章 安全かつ快適な交通の確保 

8 道路交通のIT化

(1) 警察によるITS(高度道路交通システム)

 警察では、最先端の情報通信技術等を活用して交通管理の最適化を図るITSとして、UTMS(注1)(新交通管理システム)の整備を推進している。また、そのキーインフラである光ビーコン(注2)を、都市部の主要な一般道路等をおおむねカバーできるように整備することを目指している。


注1:UTMS: Universal Traffic Management System
注2:通過車両を感知して交通量等を測定するとともに、車載装置と交通管制センターの間の情報のやりとりを媒介する路上設置型の赤外線通信装置

 〔1〕 PTPS(注3)(公共車両優先システム)
 バス専用・優先レーンの設定等の交通規制を行うとともに、バスがなるべく停止しないように進行方向の信号を優先的に青にすることにより、一度に多くの者を輸送することができ、年少者や高齢者も多く乗車するバスの定時運行と利便性向上を図るシステム(平成15年度末現在、33都道府県で整備)。


注3:PTPS:Public Transportation Priority Systems

 
図6-18 公共車両優先システム

図6-18 公共車両優先システム

 〔2〕 FAST(注4)(現場急行支援システム)
 人命救助その他の緊急業務に用いられる車両を優先的に走行させる信号制御等を行うことにより、現場到着時間の短縮及び緊急走行に伴う事故防止を図るシステム(平成15年度末現在、7都道府県で整備)。


注4:FAST:FAST emergency vehicle preemption systems

 〔3〕 HELP(注5)(緊急通報システム)
 人工衛星を利用して位置を測定するGPS技術を活用し、自動車乗車中の事故発生時に車載装置・携帯電話を通じてその発生場所の位置情報を通報することなどにより、緊急車両の迅速な現場急行を可能にするシステム(平成15年度末現在、46都道府県で整備)。


注5:HELP:Help system for Emergency Life saving and Public safety

 
図6-19 緊急車両の通行支援

図6-19 緊急車両の通行支援

 8 道路交通のIT化

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