第5章 組織犯罪対策の推進 

(2) けん銃等密輸入事件の摘発状況

 平成15年中は、けん銃等密輸入事件13件(けん銃密輸入事件8件、けん銃部品密輸入事件3件、けん銃実包密輸入事件2件)を検挙し、けん銃13丁等を押収した。13件のうち4件は、インターネットを利用してけん銃等が取引された事案であった。また、13件のうち9件において、国内への持込みの手段として国際郵便が利用されていた。

 
図5-16 けん銃等密輸入事件の摘発状況の推移(平成6~15年)

図5-16 けん銃等密輸入事件の摘発状況の推移(平成6~15年)
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事例1
15年1月、税関において、米国より日本国内在住の小売店経営者(28)宅宛に発送された国際郵便小包内からけん銃1丁及びけん銃実包125個が発見されたことから、クリーン・コントロールド・デリバリー(注)を実施し、同小包を受け取った同経営者及び米国からけん銃等を発送した男(28)を銃刀法違反で逮捕した(神奈川、滋賀)。


注:銃器等の禁制品を発見した際に、別の物品と差し替えて行うコントロールド・デリバリーをいう。

事例2
15年6月、コンビニエンスストアを対象としたけん銃使用強盗事件の米国人の被疑者(35)を取り調べた結果、米国で購入したけん銃2丁を国際郵便等で密輸入し、うち1丁を強盗に使用したことが判明し、同人を銃刀法違反で追送致した(香川)。

事例3
15年8月、税関から「大型X線検査装置で検査中、輸入貨物のモーターボートから不審物を発見した」旨の通報を受けて合同捜査を開始し、同モーターボートに隠匿されたけん銃2丁、実包856個等を発見、押収するとともに、密輸入した男(39)を割り出し、銃刀法違反で逮捕した(神奈川)。

 
押収したけん銃等

押収したけん銃等

 第3節 薬物銃器対策

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