第5章 組織犯罪対策の推進 

(2) 薬物犯罪における暴力団及び来日外国人の関与状況

 平成15年中の覚せい剤事犯の検挙人員に占める暴力団構成員及び準構成員(注)の比率は41.4%となっており、さらにこれを営利犯(営利目的所持及び営利目的譲渡をいう。)に限定すると、その比率は60.8%に上昇する。また、暴力団構成員及び準構成員の全検挙人員のうち、覚せい剤事犯の検挙人員は6,050人で、罪種別にみて最も多くなっており、暴力団が覚せい剤の密売等に深く関与している状況がうかがえる。
 来日外国人については、イラン人薬物密売組織が依然として薬物密売に深く関与しており、イラン人薬物密売組織が地元の暴力団に場所代名目の上納金を支払っていた事例があるなど、暴力団との密接な関係がみられたほか、イラン人薬物密売人が、日本人や他国籍の来日外国人を配下に雇い、密売させていた事例もみられた。


注:暴力団準構成員とは、構成員ではないが、暴力団と関係を持ちながら、その組織の威力を背景として暴力的不法行為等を行う者、又は暴力団に資金や武器を供給するなどして、その組織の維持、運営に協力し若しくは関与する者をいう。

 第1節 組織犯罪対策の現状と課題

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