第5章 組織犯罪対策の推進 

(1) 暴力団と来日外国人組織の重なり

 暴力団は、近年、来日外国人組織等と共犯関係を構築して、強窃盗事件や集団密航事件を敢行するようになっているが、平成15年中の主要な検挙事例には、偽装結婚事件、不法就労助長事件、旅券不正取得事件等もみられ、犯罪の形態が一層多様化する傾向にある。

事例
五代目山口組傘下組織組長(37)らは、平成11年ころから15年ころにかけて、1都4県において組織的に自動車窃盗を敢行し、盗難車両をバングラデシュ人に譲渡し、同バングラデシュ人が偽造ナンバーに取り替え、又は廃車の車体番号に付け替えるなどした後、盗難車両を日本国外に不正に輸出していた。窃盗罪等で、暴力団構成員4人を含む日本人8人、バングラデシュ人2人、スリランカ人2人の計12人を検挙した(警視庁)。

 第1節 組織犯罪対策の現状と課題

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