第4章 犯罪情勢と捜査活動 

(2) 特徴的傾向と対策

 最近の偽造日本銀行券は、小売店等で対面行使が可能なほど外観が本物らしいものや、両替機、自動販売機等で行使可能なものが増加している。また、同一の被疑者によって大量に偽造されるようになり、被疑者が低年齢層に広がってきているなどの傾向が認められる。パソコン、スキャナ、プリンタ等の高性能化が進み、精巧な偽造を容易に行える環境が整いつつあることが、こうした傾向を生んでいるものと考えられる。
 警察では、小売店等に対する注意喚起を行うなど事業者との連携を強化して、犯行の続発防止、被疑者の早期検挙に努めている。また、自動販売機等に対する行使事件を防止するため、発行当局、自動販売機メーカー等との連携を図っている。

事例
無職の男(44)は、平成12年以降14年ころまでの間、パソコン、スキャナ等を用いて金額5,000円の日本銀行券合計約2,000枚を偽造した上、書店等において行使した。15年2月、通貨偽造罪及び同行使罪で検挙した(滋賀)。

 5 通貨偽造犯罪

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