第4章 犯罪情勢と捜査活動 

(2) 談合・競売入札妨害事件

事例1
久賀町長(57)らは、共謀の上、平成12年8月に執行された同町発注の漁港改修工事の指名競争入札に関し、同工事の設計金額に近接する金額を土木建築会社役員に内報するなどして同土木建築会社に落札させ、偽計を用いて公の入札の公正を害した。15年1月、競売入札妨害(偽計入札妨害)罪で検挙した(山口)。

事例2
立川市総務部契約課長(55)及び同市市民部支所長らは、共謀の上、14年12月に執行された同市発注の水道工事の指名競争入札に関し、特定の建設業者に落札させるため、同建設業者のほか、同工事の受注意欲がなく談合しやすい業者のみを選定し、同建設業者に予定価格に近接する金額で同工事を落札させ、偽計を用いて公の入札の公正を害した。15年10月、競売入札妨害(偽計入札妨害)罪で検挙した。
 また、同課長に指名業者の選定をあっせんした同支所長が、15年1月下旬ころ、上記落札業者から数十万円の賄賂を収受したことなどが判明し、15年10月、あっせん収賄罪で検挙した(警視庁)。

 4 政治的・構造的不正事案

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