第4章 犯罪情勢と捜査活動 

(3) 街頭犯罪・侵入犯罪の認知・検挙状況

 〔1〕 街頭犯罪
 平成15年中の街頭犯罪の認知状況を手口別にみると、ひったくり、オートバイ盗、自転車盗、車上ねらい、部品ねらい、自動販売機ねらい等が減少する一方、路上強盗、自動車盗等が増加している。

  ア 路上強盗
 路上強盗の認知件数は、8年以降増加を続け、特に11年以降は急増した。15年中は2,955件(前年比67件(2.3%)増)で、過去10年間で約4.1倍に増加した。15年中の検挙件数は1,226件(前年比122件(11.1%)増)、検挙人員は1,865人(前年比234人(14.3%)増)であった。検挙人員の約7割を少年が占めている。

 
図4-5 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)

図4-5 路上強盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)
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  イ ひったくり
 ひったくりの認知件数は、3年以降増加し続けていたが、15年中は4万6,354件(前年比6,565件(12.4%)減)で、13年振りの減少となった。15年中の検挙件数は1万4,861件(前年比3,573件(19.4%)減)、検挙人員は2,953人(前年比205人(6.5%)減)であった。路上強盗と同様に、検挙人員の約7割を少年が占めている。

 
図4-6 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成6~15年)

図4-6 ひったくりの認知・検挙状況の推移(平成6~15年)
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  ウ 自動車盗
 自動車盗の認知件数は、11年から13年までの間に急増し、以降ほぼ横ばいの水準にある。15年中は6万4,223件(前年比1,550件(2.5%)増)であった。検挙件数と検挙人員は減少傾向にあり、15年中の検挙件数は1万1,931件(前年比860件(6.7%)減)、検挙人員は4,599人(前年比176人(3.7%)減)であった。

 
港で発見された盗難自動車

港で発見された盗難自動車

 
図4-7 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)

図4-7 自動車盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)
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 〔2〕 侵入犯罪
 15年中の侵入犯罪の認知件数をみると、侵入強盗が大幅に増加する一方、侵入盗全般については減少に転じた。

  ア 侵入強盗
 侵入強盗の認知件数は、10年以降急増し、15年中は2,865件(前年比429件(17.6%)増)であった。また、15年中の検挙件数は1,402件(前年比88件(6.7%)増)、検挙人員は1,310人(前年比176人(15.5%)増)であった。
 対象別にみると、住宅が891件で全体の31.1%を、スーパーマーケット等の商店が1,294件で全体の45.2%を占めている。

 
図4-8 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)

図4-8 侵入強盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)
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  イ 侵入盗
 侵入盗の認知件数は、10年以降大幅に増加し、15年中は33万3,233件(前年比5,061件(1.5%)減)であった。検挙件数は、7年以降13年まで毎年減少し続けていたが、14年から増加に転じ、15年中は10万9,920件(前年比1万1,585件(11.8%)増)であった。検挙人員は1万4,208人(前年比512人(3.7%)増)であった。

 
図4-9 侵入盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)

図4-9 侵入盗の認知・検挙状況の推移(平成6~15年)
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 住宅対象の侵入盗(侵入盗のうち、空き巣ねらい、忍込み、居空きの3つの手口のものをいう。)の認知件数は19万473件(前年比1,137件(0.6%)増)であった。
 ピッキング用具を使用した侵入盗(注1)の認知件数は9,351件(前年比9,770件(51.1%)減)と、大幅に減少した。一方、ドリルを使用したサムターン回し(注2)による侵入盗の認知件数は4,366件(前年比3,526件(419.8%)増)と、急激に増加している。

 
図4-10 ピッキング用具を使用した侵入盗の認知・検挙状況(平成12~15年)

図4-10 ピッキング用具を使用した侵入盗の認知・検挙状況(平成12~15年)
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ピッキング用具

ピッキング用具

 
サムターン回しの痕跡

サムターン回しの痕跡


注1:全国調査は平成12年から実施(検挙件数の全国調査は14年から)。
注2:建物錠が設けられている戸の外側から器具を挿入して、建物錠のサムターン(かんぬきの開閉を行うためのつまみ)を回転させ解錠する侵入手口をいう。全国調査は14年から実施(検挙件数、検挙人員の全国調査は15年から)。

 1 厳しさを増す犯罪情勢

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