第3章 生活安全の確保と警察活動 

(4) 少年の薬物乱用問題

 過去10年間の覚せい剤乱用少年の検挙人員は、平成9年の1,596人をピークに減少傾向にあり、15年中は524人(前年比221人減)であった。また、15年中にシンナー等の摂取・所持で検挙した少年は2,835人(前年比84人増)、MDMA等の合成麻薬事犯で検挙した少年は29人(前年比22人増)であった。

 
表3-14 覚せい剤事犯による少年の検挙人員の推移(平成6~15年)

表3-14 覚せい剤事犯による少年の検挙人員の推移(平成6~15年)
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表3-15 シンナー等乱用による少年の検挙人員の推移(平成6~15年)

表3-15 シンナー等乱用による少年の検挙人員の推移(平成6~15年)
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 少年が薬物を乱用する原因として、薬物の危険性や有害性についての認識の欠如が認められ、例えば覚せい剤が減量や眠気覚ましに効果があるなどといった誤った認識が持たれている。また、MDMA等の合成麻薬は錠剤型が多いため、使用することへの抵抗感が希薄になりやすいほか、取締り法令に触れることなく多幸感や性的快感等の薬理作用が得られる旨の宣伝をする、いわゆる脱法ドラッグの販売も薬物乱用の原因に挙げられる。
 また、街頭での通行人に対する無差別な密売や携帯電話を利用した密売が行われるなど、少年にとって薬物を入手しやすい状況になっている。若者が音楽、ダンス、飲酒を楽しむ「クラブ」と呼ばれる店舗等で、MDMA等の合成麻薬の乱用が拡大していることも懸念される。

 
MDMA

MDMA

 第3節 少年の非行防止と健全育成

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