第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

(3) 地域の安全確保と生活安全警察の誕生

 昭和60年代から平成にかけての犯罪情勢は、昭和49年から増加に転じた刑法犯認知件数が平成5年に約180万件となるなど、悪化傾向が一段と顕著になった。地域の連帯意識の希薄化や匿名性の増大等を背景として、地域社会に内在していた犯罪抑止機能の低下が指摘され、国民の犯罪に対する不安感も増大した。
 警察は、地域に密着した警察活動を強化するため、地域警察の刷新強化(4年)を推進し、交番のブロック運用、交番相談員の配置等、地域警察の運用・活動の見直しや基盤整備を進めた。また、5年からは、地域において犯罪等を防止する活動(地域安全活動)を地域住民、自治体と連携してより強力に推進することとし、ボランティアに対する支援や自治体への働きかけを積極的に実施した。
 さらに、こうした一連の動きを踏まえ、6年には、約30年振りに大規模な組織改編を行って、それまで警察庁刑事局に置かれていた保安部は生活安全局に改組され、市民生活の安全と平穏の確保に向けた施策を総合的に推進することとした。

 
地域安全活動の推進

地域安全活動の推進

 第2節 日本警察50年史

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