第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

(2) 交通事故死者数増加に対する取組みの強化

 20年代後半から著しい増加傾向にあった交通事故死者数は、45年には16,765人に達し、その深刻な状況は交通戦争(第1次)と呼ばれた。そこで、41年に交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法が制定され、同法に基づく長期計画の下、信号機、道路標識等の交通安全施設等が緊急に整備されることとなった。また、45年に交通安全対策基本法が制定され、国及び地方の行政機関と国民や関係団体が一体となって交通安全対策に取り組む体制が構築された。
 警察所管法令では、道路交通法令が累次にわたり改正され、安全運転管理者制度(40年)、交通反則通告制度(43年)、運転免許の行政処分に係る点数制度(44年)、普通免許に係る路上試験制度(48年)等が導入された。また、交通巡視員の設置(45年)や交通警察官の増員(47年~)により、体制の強化が図られた。
 このような取組みの結果、45年を境に死者数、負傷者数、交通事故発生件数のいずれも減少に転じ、54年には死者数が8,466人となり、ピーク時に比べてほぼ半減した。

 
交通巡視員による交通安全教育

交通巡視員による交通安全教育

 第2節 日本警察50年史

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