第2章 日本警察50年の軌跡と新たなる展開 

(3) 外勤警察の確立と保安警察関係法令の制定

 終戦後、浮浪者や家出人の増加が社会問題となったが、22年に児童福祉法が、25年に生活保護法が制定され、警察は、都道府県等の救護活動に積極的に協力し、その対策に当たった。また、同時期に、110番通報制度の運用(23年)、外勤勤務準則の制定、パトカーの配備(25年)を行い、派出所・駐在所を拠点として警らや巡回連絡を行い事件・事故に即応する外勤警察を確立した。
 風紀の退廃は、多くの保安警察関係法令を誕生させた。戦前の規制の廃止に伴い新たに制定された風俗営業取締法(23年)は、カフェー、キャバレー、ダンスホール等も規制対象とした。戦後の混乱で激増した街娼に対しては、条例による取締りを行い、31年に売春防止法が制定された。古物商・質屋については、盗品の流通阻止とその発見を容易にするため、24年に古物営業法、25年に質屋営業法が制定された。銃器規制については、21年に銃砲等所持禁止令、25年に銃砲刀剣類等所持取締令、33年に銃砲刀剣類等所持取締法が制定され、原則的に所持が禁止された。また、大量の覚せい剤(ヒロポン)が市中に流出し、敗戦で荒廃した社会に急激に広まったため、26年、覚せい剤の所持、使用等を禁止する覚せい剤取締法が制定され、警察は覚せい剤事犯の取締りを強化した。

 
パトカーによる警ら活動

パトカーによる警ら活動

 第2節 日本警察50年史

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