第1章 地域社会との連帯 

(3) 「『犯罪に強い地域社会』再生プラン」の推進

 以上のような考え方に基づき、市町村や消防と連携しながら地域住民の行う自主防犯活動を支援し、地域社会の治安回復を目指すための総合的な施策として、平成16年6月、警察庁は、「『犯罪に強い地域社会』再生プラン」を策定した。このプランは、次の2つの柱から成っている。

 〔1〕 自主防犯活動の拠点・基盤の整備
 公的施設を活用するなどして自主防犯活動の拠点「地域安全安心ステーション」を設け、必要な装備資機材を配備し、防犯パトロールや犯罪情報・防犯情報の集約と発信を行うほか、自主防犯活動への参加を拡大するための取組みを推進する。また、車両を用いた防犯パトロールの効果を向上させるため、国土交通省とともに、パトロール用車両に視認性の高い青色回転灯を装備することのできる新しい制度を設ける。

 〔2〕 効果的な自主防犯活動の実施に向けた支援
 防犯情報の提供、講習・訓練の実施、活動経費の支援等の施策を組み合わせた、自主防犯活動を総合的に支援するための制度「安全安心パトロール・サポート制度」を設けるとともに、警戒活動や不審者情報等の共有に関する消防団等との連携を拡大する。

 警察は、防犯ボランティア団体を地域の安全のための連携の結節点として捉えており、これを媒介として地域住民と関係機関・団体が手を携えて一体となって行動することで、大きな力が生まれ、地域社会における治安の回復につながるものと考えている。また、良好な治安という誰もが望む財産を得るためのこうした取組みは、地域社会を結束させ、失われつつある連帯を再生させる一助にもなるであろう。このため、今後、地域社会に密着した警察活動を強化するとともに、「『犯罪に強い地域社会』再生プラン」を中心に、地域住民の自主防犯活動に対する4つの支援を推進し、「世界一安全な国、日本」の復活を目指していく。
 
図1-49 「犯罪に強い地域社会」再生プラン

図1-49 「犯罪に強い地域社会」再生プラン

 第2節 治安回復に向けた地域社会との協働

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