第1章 地域社会との連帯 |
事例1
鳥取県米子市に拠点を有する山口組傘下組織の暴力団事務所にけん銃が発砲される事件が発生したことなどを契機として、平成13年9月、地域住民により、事務所の使用差止めと閉鎖を求める運動を推進するための委員会が設立された。この委員会は、事務所の撤去を訴えて、街頭署名活動、立て看板や横断垂れ幕の設置、住民大会の開催、街頭パレード等を積極的に行った。警察は、関係者の保護対策を徹底して行い、警察署長名でこの暴力団に警告書を送付するなどの支援を行った。 その後、地域住民らが、事務所の所有者である暴力団組長を相手取り、使用差止請求訴訟を提起し、15年3月、鳥取地裁米子支部は、住民の人格権が侵害されているとして住民側の請求を認め、暴力団事務所としての使用差止めを命じる判決を下した。 |
事例2
15年10月、山梨県警察は、稲川会傘下組織組長の襲名披露が県内の結婚式場で行われることを把握したため、式場の責任者に対し契約を解除するよう指導するとともに、同傘下組織に対して義理かけ行事を中止するよう警告した。さらに、県暴力追放運動推進センターの会長である県知事名で、ホテル、催事場に対して暴力団排除活動への協力を要請する文書が発出され、また、警察の取組みが報道されたことで、県内で暴力団排除の気運が高まった。この結果、同傘下組織から契約解除の申入れがなされ、襲名披露の開催は阻止された。 |
事例3
15年7月、国内最大級の繁華街が存する東京都新宿区で、暴力団や国際犯罪組織を排除し、健全な繁華街づくりを推進することを目的として、新宿繁華街犯罪組織排除協議会が設置され、警察と地域住民や事業者等が協力して、不当要求防止責任者講習の実施や、会員との情報交換、合同パトロール等の活動を行っている。
協議会の発足式(東京)
夜間のパトロール活動(東京)
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第2節 治安回復に向けた地域社会との協働 |
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