第6節 銃器・薬物問題の現状と対策 銃器犯罪の現状と対策 (1)平成14年の銃器情勢  平成14年の銃器情勢は,銃器発砲事件数,銃器使用事件数が高い水準を維持する一方で,けん銃押収丁数は減少を続けるなど依然として厳しい状況にある(第1章第1節3(1)参照)。  また,14年は,暴力団以外の者からのけん銃押収丁数が暴力団からの押収丁数を上回った(図2-31)。 図2-31 銃器発砲事件数とけん銃押収丁数の推移  特に,近年の特徴として,インターネットを利用してけん銃が取引されるケースが急増している(図2-32)。こうした形態の取引では,買い手の多くがいわゆるガンマニアで,暴力団に関係していないケースがほとんどである。 図2-32 インターネットを利用して取引されたけん銃押収丁数の推移  なお,インターネットオークションを利用した事件では,違法性を疑われないようにするため,出品者が「正規輸入品」であると説明を加えたり,あえてオークションに出品せず,得意客と直接メールをやり取りして取引した事例があった。 事例  14年10月,インターネットオークション利用のけん銃密売容疑事件を認知し,出品者宅を捜索の結果,けん銃1丁を押収した。その後,同出品者にけん銃を販売した会社員を通常逮捕するとともに,同人の供述から,同種のけん銃を購入した会社員ら顧客12人を割り出し,1都1府7県にわたる捜索によりけん銃56丁等を押収した(愛知)。