(1)厳しさを増す我が国の銃器情勢 ア 銃器発砲事件数の傾向  過去10年間の銃器発砲事件数(発砲総数)は,平成5年の233件,6年の249件以降は,暴力団の対立抗争が多発した13年の215件を除き,毎年150件前後の高水準で推移している。14年は158件であり,銃器発砲による死傷者数は58人であった(図1-38)。 図1-38 銃器発砲事件数と死者数・負傷者数の推移(平成5~14年) 事例1  14年11月,東京都中央区JR東京駅八重洲口近くのホテル前路上において,車両に乗車していた暴力団幹部ら2人が,同じ組織に属する別の幹部にけん銃で撃たれ,1人が死亡し,1人が負傷した。被疑者は現場で検挙されたが,本件の背景には暴力団組織内における内紛があったものとみられる。なお,当時,現場にはビジネスマンや買い物客等一般人も多数往来していた(警視庁)。 事例2  15年1月,前橋市内のスナックにおいて,客として居合わせた会社員ら3人,元暴力団組員1人の計4人が,2人組の男にけん銃で撃たれて死亡したほか,元暴力団幹部ら2人が重傷を負った(群馬)。 発砲事件の現場