第1章 組織犯罪との闘い 

エ 薬物犯罪組織壊滅のために強化すべき点

 薬物犯罪の取締りが困難ななか,薬物犯罪組織の壊滅のため,今後,最も強化すべき点については,「新たな捜査手法を整備する」ことを挙げた警察官が34.5%と最も多い(図1-61)。具体的には,「通信傍受を効果的に実施できるようにしてほしい」,「警察官による薬物の譲受け捜査(注)を積極的に実施すべきだ」,「犯罪組織に対抗するためには,全く新しい捜査手法も検討すべきだ」などの声が聞かれた。


(注)譲受け捜査とは,薬物に関する犯罪捜査に当たり,警察官等が薬物の密売人等に接触し,薬物を譲り受けるなどする捜査手法をいう。

 
図1-61 薬物犯罪組織壊滅のために強化すべき点

図1-61 薬物犯罪組織壊滅のために強化すべき点
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 次いで,強化すべき点として,「捜査員を増やす」を挙げる警察官が25.3%に上っている。その理由としては,「発生した事件に対処することに業務が忙殺され,犯罪組織に対し継続的な視察内偵活動が行えない」ことや「来日外国人による犯行が増加し,裏付捜査に手間暇がかかり,十分な組織犯罪対策が行えていない」ことを挙げている。
 また,「情報分析を強化する」べきと回答した警察官も20.7%おり,「入管,税関等の関係機関との連携がまだ十分とは言えない。人事交流等を活発に行い,情報を共有するなど,更なる連携強化をすべきだ」とする意見が挙がっている。

 

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