第1章 組織犯罪との闘い |
コラム7 ロシアマフィアによる盗難車ビジネス(被疑者の声)
いわゆるロシアマフィアの資金獲得活動の一端として,盗難車の密輸出事件に関連して検挙されたロシア人の窃盗実行犯,ロシアマフィアと日本人窃盗グループとの仲介を行った日本人(暴力団関係者)らの取調べ過程で,次のように話している例がみられる。 ・ロシアマフィアの最大組織の幹部に日本へ行って盗難車を送れと指示された。盗難車を仕入れるごとに幹部に電話をして許可を取り,指示されたロシア船に積み込み,密輸した。 ・これまでロシアマフィアの関係者から指示されて車を運んだことが数回ある。その者は小樽港のほか石巻港や新潟港からも盗難車をロシアに運んでいる。 ・盗難車の密輸出の主な取引相手はウラジオストックに所在する船舶運航会社であり,同社はロシアマフィアが経営している。 ・船の積載責任者にロシアマフィアの幹部の名前を出してその注文車両だと告げると,積載責任者も幹部から指示を受けているらしく,優先して乗せてくれるし,税関や警察の取締りを考えて最も安全な場所へ積載してくれる。 |
事例
ロシア人の女A,パキスタン人中古車販売業者は,14年8月,Aとともに来日したロシア人の女Bら2人に対し,日本人との売春をあっせんしたものである。同月,Bら2人を売春防止法違反で検挙した。主犯格のAはロシア人犯罪組織との関係がうかがわれた(北海道)。 |
前の項目に戻る | 次の項目に進む |