第1章 組織犯罪との闘い |
事例
コロンビア人グループは,14年9月,東京都中央区の銀行支店内において,被害者の会社員女性に外国語で話しかけ,同時に小銭をばらまいて周囲の客の注意をそらすなどして,被害者がATM機の上に置いた封筒入りの現金200万円を窃取したものである。12月までに同グループの構成員2人を検挙した。 同グループは,8月ころから,東京,埼玉及び神奈川で,類似する手口の窃盗合計17件を敢行し,被害総額は約1億2,000万円に上った(警視庁)。 |
コラム6 来日目的(被疑者の声)
コロンビア人窃盗グループのメンバーが我が国を訪れる目的は,資金獲得という点で共通しているが,当初から窃盗や売春の敢行を意図している者がおり,例えば,都内で検挙された数グループの被疑者の取調べの過程で,次のように話している例がみられる。 ・友人が日本で売春を行い相当稼いだと話していたので,日本に行けばコロンビアの数倍の稼ぎがあると思い,売春目的で来日した。 ・「日本は泥棒で簡単にお金を稼ぐことができる」と聞いていたので,生活費を稼ぐため来日した。査証免除で入国しやすい。日本のお金は高い価値がある。 ・コロンビアで泥棒をしている男から,「日本に行って泥棒で稼ごう」と誘われ,コロンビア国内でグループの一員となった。 ・友人が名古屋で街娼(しょう)をして稼いだと聞いたので,母親を助けるため,街娼となる目的で来日した。 ・日本で大量の貴金属を窃取するのに成功して帰国した者がいたことから,うわさが広まり,うわさを信じて来日した。 |
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