第1章 組織犯罪との闘い 

1 来日外国人犯罪の変質

 社会・経済のグローバリゼーションの進展に伴い,犯罪のグローバリゼーションともいうべき問題が発生している。なかでも国際組織犯罪(注1)の深刻化が進んでおり,我が国に流入した外国人が,我が国国内で犯罪グループを形成し,あるいは我が国の暴力団や外国に本拠を置く国際犯罪組織(注2)と連携をとるものがある。
 このような国際犯罪(注3)対策の問題は,平成6年のナポリ・サミット以降,頻繁にコミュニケ,議長声明等で取り上げられており,国際協議の場でも重要なテーマとなっている。


(注1)国際組織犯罪とは,各国間の協議の場等では,国・地域や手段を問わず国境を越えて組織的に行われる犯罪全般を指すことが多い。
(注2)国際犯罪組織とは,本白書では,国際犯罪を行う多数人の集合体のことをいい,外国に本拠を置く犯罪組織や不法滞在外国人によって構成された外国人犯罪グループ等がこれに当たる。
(注3)国際犯罪とは,外国人による犯罪,国民の外国における犯罪その他外国に係る犯罪をいう。

 

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