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統計

広報資料
平成18年2月23日
警察庁

平成17年中のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について


サイバー犯罪の検挙件数
 サイバー犯罪(情報技術を利用する犯罪)の検挙件数は3,161件で、前年(2,081件)と比べて1,080件、51.9%増加。



(主な特徴)

不正アクセス禁止法違反が、277件で前年の約2倍に増加した。

ネットワーク利用犯罪では、詐欺が1,408件で、前年の約2.6倍に増加した。その内訳は、インターネット・オークションを利用したものが多い。


サイバー犯罪等に関する相談受理件数
 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等が受理した相談受理件数は、84,173件で、前年(70,614件)と比べて19.2%増加。



(主な特徴)

詐欺、悪質商法に関する相談が約1.2倍、インターネット・オークションに関する相談が約1.3倍に増加した。

不正アクセス、ウィルスに関する相談が約1.8倍に増加。オンラインゲームやオークションでの不正アクセスに関する相談が多い。


推進した対策


警察庁及び都道府県警察において、新たなサイバー犯罪手法(フィッシング、スパイウエア等)に関する広報啓発及びこれらの取締りを推進した。

警察庁において「インターネット安全・安心相談システム」を整備し、サイバー犯罪の予防対策を推進した。

警察庁において「総合セキュリティ対策会議」を開催し、官民連携したインターネット上の違法・有害情報対策について検討した。(継続中)


今後の課題


増加するサイバー犯罪に的確に対応するため、サイバー犯罪取締体制の強化、関係省庁・関係業界との連携等を一層推進する必要がある。




平成17年中のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について


第1 サイバー犯罪の検挙状況

1
検挙件数

罪名
H13
H14
H15
H16
H17増減
不正アクセス禁止法違反
67
105
145
142
277+135(+95.1%) 
コンピュータ・電磁的記録対象犯罪
63
30
55
55
73+18(+32.7%)

電子計算機使用詐欺
48
18
34
42
49+7(+16.7%)

電磁的記録不正作出・毀棄
11
8
12
8
17+9(+112.5%)

電子計算機損壊等業務妨害
4
4
9
5
7+2(+40.0%)
ネットワーク利用犯罪
1,209
1,471
1,649
1,884
2,811+927(+49.2%)

詐欺
485
514
521
542
1,408+866(+159.8%)

児童買春・児童ポルノ法違反(児童買春)
117
268
269
370
320-50(-13.5%)

児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ)
128
140
102
85
136+51(+60.0%)

青少年保護育成条例違反
10
70
120
136
174+38(+27.9%)

わいせつ物頒布等
103
109
113
121
125+4(+3.3%)

著作権法違反
86
66
87
174
128-46(-26.4%)

商標法違反
31
37
95
82
109+27(+32.9%)

脅迫
40
33
38
58
39-19(-32.8%)

名誉毀損
42
27
46
26
47+21(+80.8%)

その他
167
207
258
290
325+35(+12.1%)
合計
1,339
1,606
1,849
2,081
3,161+1,080(+51.9%)











 その他には、覚せい剤取締法違反等の薬物事犯、銃砲刀剣類所持等取締法、売春防止法、児童福祉法等の違反がある。

 ネットワーク利用犯罪の定義
 犯罪の構成要件に該当する行為についてネットワークを利用した犯罪、又は構成要件該当行為でないものの、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪をいう。例えば、児童買春については、ネットワーク上で連絡を取り合った者同士がネットワーク上において児童買春に合意し、児童買春に及んでいる場合に限って計上しており、青少年保護育成条例違反についても、これと同様の考え方に基づいて計上している。

2
サイバー犯罪の罪名別割合


3
平成17年の主なサイバー犯罪検挙事例

不正アクセス禁止法違反事件

 被疑者(会社員・男・28歳)ほか1名は、インターネット・オークション会員の公知のIDからパスワードを推測し、当該会員になりすまして不正アクセスを行った。さらにそのインターネット・オークションにおいて携帯電話等を架空出品し、多数の落札者から代金をだまし取った。
 私電磁的記録不正作出・同供用罪及び詐欺罪でも検挙。
(1月・大分、宮城、警視庁、茨城、兵庫、熊本)

 被疑者(会社員・男・42歳)は、インターネットサービス会社の正規の「ログイン画面」に酷似したホームページを公開し、これを閲覧した同社会員が本物のホームページと誤信してID・パスワードを入力するように仕向け、誤信して入力されたID・パスワードを取得(フィッシング)した上で、当該ID・パスワードを使用して同社が管理運営するサーバに不正アクセスを行った。
 著作権法違反でも検挙。
(6月・警視庁)

 被疑者(大学生・男・27歳)は、旅行会社が管理運営するサーバに対し、セキュリティのぜい弱性をつく手法により不正アクセスを行い、サーバに蔵置されていた同社会員の氏名、住所、会員ID・パスワードなどの個人情報を不正に入手した。
(6月・警視庁)

 被疑者(無職・男・34歳)ほか1名は、共謀して、スパイウエアを作成し、インターネット・バンキングを利用している法人に対して、取引上の苦情を装った電子メールに添付して送り付けた。当該スパイウエアにより、同法人のインターネット・バンキング利用に係る識別符号等を取得し、男らが管理するコンピュータに送信させ、同法人の識別符号を使用してインターネット・バンキングのコンピュータに不正アクセスを行い、同法人の口座から自己の管理する他人名義の口座に対して約21万円の送金操作を行った。
 電子計算機使用詐欺罪でも検挙。
(11月・警視庁)


コンピュータ・電磁的記録対象犯罪

【私電磁的記録不正作出・同供用事件】
 被疑者(高校教諭・男・49歳)は、インターネットサービス会社が管理運営するサーバに対し、他の会員のID・パスワードを用いて不正アクセスを行い、当該会員がパスワードを変更した事実がないのに、パスワードを変更する手続きをとった旨の虚偽の情報を送信し、事実証明に関する電磁的記録を不正に作出し、当該会社の事務処理の用に供した。
 不正アクセス禁止法違反でも検挙。
(5月・奈良)

【電子計算機損壊等業務妨害事件】
 被疑者(大学生・男・26歳)は、外国から日本国内のオンラインゲームへのアクセスを中継することにより収益を得ようと企て、自宅等にプロキシサーバを設置して当該アクセスを中継媒介したことで、オンラインゲーム運営会社のゲームサーバに過度の負荷を与えて残像現象を生じさせ、電源を切断する等の対応を余儀なくさせて、同社の業務を妨害した。
 電気通信事業法違反でも検挙。
(7月・香川)

【電子計算機使用詐欺事件】
 被疑者(清掃管理員・男・53歳)は、農業協同組合において貸し付け業務に従事していた際、架空の貸付事実を作出し、その貸付金相当額をオンラインシステムの端末機を操作して自己が不正に開設した普通預金口座に入金し、合計3,160万円相当の財産上不法の利益を得た。
(3月・秋田)


ネットワーク利用犯罪

【詐欺事件】
 被疑者(無職・男・33歳)ほか1名は、インターネット・オークション利用に係る他人のID・パスワードを不正に入手した上で、プリペイド式データ通信カードを使用してインターネット・オークションサイトに不正アクセスし、架空の出品を行い、落札した商品の代金を窃取する手口で860人から約1億5千万円を騙し取った。
 不正アクセス禁止法違反でも検挙
(9月・茨城)

 被疑者(無職・男・25歳)ほか3名は、被害者が所持する携帯電話機あてに、利用したことのない有料サイト利用料金支払いを求める内容虚偽の電子メールを送信し、有料サイト利用料金未納の事実が存在するものと誤信させ、現金を振り込ませる方法で約218万円を騙し取った。
(1月・千葉)

【児童買春・児童ポルノ法違反事件】
 被疑者(パイロット・50歳・男)は、インターネット上のゲームサイト内のチャットを通じて知り合った相手が18歳に満たない児童であることを知りながら現金の供与を約束して、児童買春した。
(4月・大阪)

 被疑者(無職・男・37歳)は、海産物販売を仮装したホームページ上でわいせつな図画や児童ポルノであるDVD-R、CD-R、ビデオテープを販売する目的で、自宅にDVD-Rやビデオテープ等の形で児童ポルノ26点、わいせつ図画1230点を所持した。
 わいせつ図画販売目的所持でも検挙。
(1月・富山)

【わいせつ物頒布等事件】
 被疑者(会社員・男・24歳)は、インターネットの掲示板管理者(会社員・男・30歳)と共謀の上、同掲示板に、携帯電話で再生可能な男女の性器、性交場面等を露骨に表現したわいせつな動画データを掲示し、わいせつ画像を公然と陳列した。
(5月・北海道)

【売春防止法違反事件】
 被疑者(会社員・男・27歳)は、派遣型売春クラブを経営し、不特定多数の遊客から、インターネットを通じて売春婦紹介の依頼予約を受け、売春の相手客として紹介し、売春の周旋をした。
(4月・警視庁)

【出会い系サイト規制法違反事件】
 被疑者(高校生・男・18歳)は、嫌がらせのため、知り合いの女子高校生になりすまし、出会い系サイトに性交の相手方を求める内容の書き込みをした。
(11月・長野)

【ストーカー規制法違反事件】
 被疑者(町会議員・男・66歳)は、元交際相手の女性の携帯電話に義務のないことを行うように要求する電子メールを送信し、ストーカー行為をした。
(10月・岡山)

【著作権法違反事件】
 被疑者(会社員・男・25歳)ほか2名は、ファイル交換ソフトを利用して、著作権者の許可なくパソコン用書体ソフトを不特定多数の者が利用できる状態にし、パソコン用書体ソフト制作会社の著作権を侵害した。
(2月・福岡)

【商標法違反事件】
 被疑者(無職・男・21歳)ほか1名は、商標の使用に関して何ら権限がないのに、携帯電話のインターネット・オークションを利用して偽ブランド商品を販売し、もって商標権を侵害した。
(8月・徳島)

【覚せい剤取締法違反事件】
 被疑者(職業不詳・男・39歳)ほか1名は、インターネットの掲示板に広告を掲示し、電子メールにより覚せい剤及び大麻の注文を受ける方法で規制薬物を販売することを企て、覚せい剤合計約86グラムを代金合計約427万円で延べ162人に対して譲り渡していた。
大麻取締法違反、麻薬特例法違反でも検挙。
(1月・富山)

【脅迫・強要未遂事件】
 被疑者(専門学校生・男・23歳)は、インターネットのホームページに掲載されていた児童の生命、身体等に害を加える旨の書き込みをインターネットの掲示板に掲載し、脅迫した。また、同被疑者は、音楽会社社長及び社員の生命、身体等に害を加える旨を、インターネットの掲示板に掲載し、音楽会社社長に対し義務なき行為を要求した。
(10月・宮城/11月・警視庁)

【名誉毀損事件】
 被疑者(会社員・男・26歳)ほか4名は、全裸写真の顔部分を芸能人のものとすげ替え、あたかも当該芸能人の全身写真のごとく見せかけた合成写真を不特定多数の者に閲覧できる状態にして、内容虚偽の事実を摘示し、名誉を毀損した。
(11月・警視庁)

【威力業務妨害事件】
 被疑者(工員・男・26歳)は、インターネットの掲示板に「○○小学校をナタとエアガンで襲う」という内容の書き込みをし、同小学校校長らに授業の中止を余儀なくさせるなどし、もって威力をもって業務を妨害した。
(4月・北海道)

【自殺幇助】
 被疑者A(無職・男・21歳)は、自殺志願者が集まるインターネットの掲示板に自殺者募集の投稿をし、それに応じた被疑者B(大学生・男・21歳)及び被害者らに対し多数回にわたる電子メール交換により、自殺に使う睡眠薬等準備、自殺場所等について打ち合わせるなどして、被害者に心中の決意を固めさせ、車両内で練炭を燃焼させ、一酸化炭素中毒死させた。
(4月・富山)

【有線電気通信法違反】
 被疑者(会社役員・男・37歳)は、自ら経営する出会い系サイトに係る広告宣伝メールを、実在の電気通信事業者のごとく送信者名・返信先メールアドレスを偽った上で、他人の無線LANを利用して不特定多数者に大量にメールを送信し、その間、同送信によって発生した約41万件のエラーメールが同事業者に返送されたことにより同事業者のコンピュータの正常な働きが妨げられ、同事業者が提供するメール転送サービスを妨害した。
(4月・京都)


第2 サイバー犯罪等に関する相談受理状況


相談受理件数
都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等に寄せられたサイバー犯罪等に関する相談の受理件数は次のとおり。

(1)相談受理件数の推移 (単位:件)


区分

H13
H14
H15
H16
H17
増減

詐欺・悪質商法に関する相談
(インターネット・オークション関係を除く)
1,963
3,193
20,738
35,329
41,480
6,151
(+17.4%)

インターネット・オークションに関する相談
2,099
3,978
5,999
13,535
17,451
+3,916
(+28.9%)

名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談
2,267
2,566
2,619
3,685
5,782
+2,097
(+56.9%)
 
違法・有害情報に関する相談
3,282
2,261
4,225
4,157
5,317
+1,160
(+27.9%)
 
迷惑メールに関する相談
2,647
2,130
2,329
3,946
3,975
+29
(+0.7%)
 
不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談
1,335
1,246
1,147
2,160
3,965
+1,805
(+83.6%)

その他
3,684
3,955
4,697
7,802
6,203
-1,599
(-20.5%)
 
合計
17,277
19,329
41,754
70,614
84,173
+13,559
(+19.2%)

 



 

(2)相談区分別の割合(平成17年)




主な相談事例

(1) 
詐欺、悪質商法に関する相談
【架空請求・不当請求】

 身に覚えのない利用料金請求メールが携帯に送り付けられて困っている。

 ホームページを閲覧し、リンクをクリックしただけで「会員登録されたので料金を振り込め」と表示された。
(2) 
インターネット・オークションに関する相談
【詐欺被害】

 オークションで落札し、代金を振り込んだが商品が送られてこない。

 オークションで落札できなかったが、出品者を名乗る者からメールで直接取引を持ちかけられた。これに応じ代金を振り込んだが商品が送られてこない。(メールの差出人は出品者になりすました別人だった。)

 自分のオークションIDが他人に不正に利用され、商品を架空出品された。このため、落札者から苦情が来ている。
【違法品】

 オークションで商品を買ったが、不正コピー品、又は偽ブランド品であった。
(3) 
名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談

 インターネット上に自分の個人情報を掲載され、悪口を書かれた。

 出会い系サイトで知りあった人から相談者の裸の写真をばらまくと脅かされた。
(4) 
違法・有害情報に関する相談

 児童ポルノ画像を掲載しているホームページがある。

 インターネット上で特定の学校の生徒を殺すとの書込みを見つけた。防犯対策をして、犯人を捕まえて欲しい。

 インターネットの掲示板で自殺予告をしている人がいる。
(5) 
迷惑メールに関する相談

 勧誘のメールが一日に何通も届いて迷惑である。

 チェーンメール(メールの複製を多数に送付するように促す又は脅かすメール)が届き困惑している。
(6) 
不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談
【不正アクセス】

 自分がオンラインゲームで使っていたID・パスワードを盗まれて不正アクセスをされ、自分がゲーム上で集めたアイテムが盗まれてしまった。

 自分が管理するサーバが何者かに不正アクセスをされ、フィッシングのための偽のホームページを立ち上げられた。

 オークション事業者を名乗るメールの求めに応じてIDとパスワードを入力した。その後、身に覚えのない品物が自分のIDで出品され、パスワードを盗まれたことに気がついた。
【コンピュータウイルス】

 インターネットでホームページを閲覧していたところ、スパイウエアが入ってきた。

このほか、「インターネット安全・安心相談システム」において、主な相談事例と対応策を紹介している。(次項参照)


インターネット安全・安心相談システムのアクセス数

 警察庁では、サイバー犯罪等に関する相談の増加に的確に対応し、インターネット利用者の被害防止を推進するため、インターネット上の困りごとについて基本的な対応策の情報提供等を行う「インターネット安全・安心相談システム」(http://www.npa.go.jp/cybersafety/)を平成17年6月16日に公開した。
 同システムには、同年12月31日までに延べ226,774人(1日平均1,140人)のアクセスがあった。