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統計

平成17 年8月18日
警察庁

平成17年上半期のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について


サイバー犯罪の検挙件数
 サイバー犯罪(情報技術を利用する犯罪)の検挙件数は1,612件で、前年同期(1,063件)と比べて549件、約52%増加。



(主な特徴)

不正アクセス禁止法違反が、198件で前年同期の3倍に増加し、昨年一年間の検挙件数を上回る。

ネットワーク利用犯罪では、
・ 詐欺が約2.7倍に増加。インターネット・オークションを利用したものが多い。
・ 児童ポルノ事案が約2倍、青少年保護育成条例違反が約1.4倍に増加。


サイバー犯罪等に関する相談受理件数
 都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等が受理した相談受理件数は、50,479件で、前年同期(33,066件)と比べて約1.5倍に増加。



(主な特徴)

詐欺、悪質商法に関する相談が約2倍に増加。有料サイトの料金請求に関する相談が多い。

不正アクセス、ウィルスに関する相談が約1.8倍に増加。オンラインゲームやオークションでの不正アクセスに関する相談が多い。


推進した対策


都道府県警察において、平成16年12月に開設した「フィッシング110番」における情報提供・相談等への対応を推進したほか、寄せられた情報をもとにフィッシング事案を検挙した。

警察庁において、フィッシング、メールによる架空請求等に係る注意喚起や「インターネット安全・安心相談システム」の整備による防犯対策を推進した。

警察庁において「総合セキュリティ対策会議」を開催し、自殺予告への対応、知的財産権の保護等について産業界との連携を推進した。



平成17年上半期のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について
第1 サイバー犯罪の検挙状況

1 検挙件数
年 
H12
H13
H14
H15
H16
H17(上)増減
罪 名





H16 (上)
   
不正アクセス禁止法違反
67
67
105
145
142
66
198+132(+200%) 
コンピュータ・電磁的記録対象犯罪
44
63
30
55
55
21
23+2(+95%)

電子計算機使用詐欺

33
48
18
34
42
12
16+4(33.3%)

電磁的記録不正作出・毀棄

9
11
8
12
8
6
5-1(-16.7%)

電子計算機損壊等業務妨害

2
4
4
9
5
3
2-1(-33.3%)
ネットワーク利用犯罪
802
1,209
1,471
1,649
1,884
976
1,391+415(+42.5%)

詐欺
306
485
514
521
542
247
672+425(+172.1%)

児童買春・児童ポルノ法違反
児童買春
8
117
268
269
370
241
143-98(-40.7%)


児童ポルノ
113
128
140
102
85
33
68+35(+106.1%)

青少年保護育成条例違反
2
10
70
120
136
79
114+35(+44.3%)

わいせつ物頒布等
154
103
109
113
121
70
55-15(-21.4%)

著作権法違反
80
86
66
87
174
96
77-19(-19.8%)

商標法違反
11
31
37
95
82
45
50+5(+11.1%)

脅迫
17
40
33
38
58
17
20+3(+17.6%)

名誉毀損
30
42
27
46
26
12
20+8(+66.7%)

その他
81
167
207
258
290
136
172+36(+26.5%)
合計
913
1,339
1,606
1,849
2,081
1,063
1,612+549(+51.6%)













 その他には、覚せい剤取締法違反等の薬物事犯、銃砲刀剣類所持等取締法、売春防止法、児童福祉法等の違反がある。

 ネットワーク利用犯罪の定義
 犯罪の構成要件に該当する行為についてネットワークを利用した犯罪、又は構成要件該当行為でないものの、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪をいう。例えば、児童買春については、ネットワーク上で連絡を取り合った者同士がネットワーク上において児童買春に合意し、児童買春に及んでいる場合に限って計上しており、青少年保護育成条例違反についても、これと同様の考え方に基づいて計上している。

2 サイバー犯罪のうち、ネットワーク利用犯罪の占める割合

H12
H13
H14
H15
H16
H17(上)





H16(上)
  
サイバー犯罪
 913
1,339
1,606
1,849
2,081
1,063
1,612

うちネットワーク利用犯罪

802
1,209
1,471
1,649
1,884
976
1,391
割合
87.8%
90.3%
91.6%
89.1%
90.5%
91.8%
86.3%











3 平成17年上半期の主なサイバー犯罪検挙事例

不正アクセス禁止法違反事件

 被疑者(無職・男・19歳)は、以前在学していた学校のサーバに対して、ハッキングツールを使用して不正アクセスを行い、同校生徒約500人分の識別符号を不正に取得した。また、取得した識別符号を別の学校の統括責任者あてに電子メールで送信し、当該識別符号を利用権者以外の者に提供することで不正アクセス行為を助長した。
(5月・京都)

 被疑者(会社員・男・42歳)は、インターネットサービス会社の正規の「ログイン画面」に酷似したホームページを公開し、これを閲覧した同社会員が本物のホームページと誤信してID・パスワードを入力するように仕向け、誤信して入力されたID・パスワードを取得(フィッシング)した上で、当該ID・パスワードを使用して同社が管理運営するサーバに不正アクセスを行った。
著作権法違反でも検挙。
(6月・警視庁)

 被疑者(大学生・男・27歳)は、旅行会社が管理運営するサーバに対し、セキュリティのぜい弱性をつく手法により不正アクセスを行い、サーバに蔵置されていた同社会員の氏名、住所、会員ID・パスワードなどの個人情報を不正に入手した。
(6月・警視庁)


コンピュータ・電磁的記録対象犯罪

【私電磁的記録不正作出・同供用事件】
 被疑者(高校教諭・男・49歳)は、インターネットサービス会社が管理運営するサーバに対し、正規会員のID・パスワードを用いて不正アクセスを行い、当該会員がパスワードを変更した事実がないのに、パスワードを変更する手続きをとった旨の虚偽の情報を送信し、事実証明に関する電磁的記録を不正に作出し、当該会社の事務処理の用に供した。
 不正アクセス禁止法違反でも検挙。
(5月・奈良)

【電子計算機使用詐欺事件】
 被疑者(清掃管理員・男・53歳)は、農業協同組合において貸し付け業務に従事していた際、架空の貸付事実を作出し、その貸付金相当額をオンラインシステムの端末機を操作して自己が不正に開設した普通預金口座に入金し、合計3,160万円相当の財産上不法の利益を得た。
(3月・秋田)


ネットワーク利用犯罪

【詐欺事件】
 被疑者(無職・男・33歳)は、商品も仕入れ資金も持たずにインターネット・オークションにカーナビ等の出品登録を行い、自転車操業を行った結果、納品待ちの落札者200名、落札代金3000万円に達し、返金も行き詰まったにも関わらず、販売する商品を保有せず、かつ商品を入手して販売する意思能力がないのにカーナビを出品登録し続けて、全国1,200名余の落札者から約1億6,700万円を騙し取った。
(平成16年11月・石川、群馬)

 被疑者(無職・男・25歳)ほか3名は、被害者が所持する携帯電話機あてに、利用したことのない有料サイト利用料金支払いを求める内容虚偽の電子メールを送信し、有料サイト利用料金未納の事実が存在するものと誤信させ、現金を振り込ませる方法で約218万円を騙し取った。
(1月・千葉)

【児童買春・児童ポルノ法違反事件】
 被疑者(パイロット・50歳・男)は、インターネット上のゲームサイト内のチャットを通じて知り合った相手が18歳に満たない児童であることを知りながら現金の供与を約束して、児童買春した。
(4月・大阪)

 被疑者(無職・男・37歳)は、海産物販売を仮装したホームページ上でわいせつな図画や児童ポルノであるDVD-R、CD-R、ビデオテープを販売する目的で、自宅にDVD-Rやビデオテープ等の形で児童ポルノ26点、わいせつ図画1230点を所持した。
 わいせつ図画販売目的所持でも検挙。
(1月・富山)

【わいせつ物頒布等事件】
 被疑者(会社員・男・24歳)は、インターネットの掲示板管理者(会社員・男・30歳)と共謀の上、同掲示板に、携帯電話で再生可能な男女の性器、性交場面等を露骨に表現したわいせつな動画データを掲示し、もってわいせつ画像を公然と陳列した。
(5月・北海道)

【売春防止法違反事件】
 被疑者(会社員・男・27歳)は、派遣型売春クラブを経営し、不特定多数の遊客から、インターネットを通じて売春婦紹介の依頼予約を受け、売春の相手客として紹介し、もって売春の周旋をした。
(4月・警視庁)

【著作権法違反事件】
 被疑者(会社員・男・25歳)ほか2名は、ファイル交換ソフトを利用して、著作権者の許可なく、パソコン用書体ソフトを不特定多数の者が利用できる状態にし、著作権を侵害した。
(2月・福岡)

【商標法違反事件】
 被疑者(鞄類販売業・男・44歳)ほか9名は、共謀の上、商標の使用に関して何ら権限がないのに、インターネット・オークションを利用して商標を付した小銭入れを販売し、商標権を侵害した。
(1月・長野)

【覚せい剤取締法違反事件】
 被疑者(不詳・男・39歳)ほか1名は、インターネットの掲示板に広告を掲示し、電子メールにより覚せい剤及び大麻の注文を受ける方法で、規制薬物を販売することを企て、覚せい剤合計約86グラムを代金合計約427万円で、延べ162人に対して譲り渡していたほか、営利目的で覚せい剤約12グラム、大麻約45グラムを所持していた。
 大麻取締法違反、麻薬特例法違反でも検挙。
(1月・富山)

【名誉毀損事件】
 被疑者(会社員・男・31歳)は、携帯電話の出会い系サイトの掲示板に、被害者の顔写真を掲載し、「男性を募集しています」などと書き込み、不特定多数の者に閲覧できる状態にして名誉を毀損した。
(3月・徳島)

【威力業務妨害事件】
 被疑者(工員・男・26歳)は、インターネットの掲示板に「○○小学校をナタとエアガンで襲う」という内容の書き込みをし、同小学校校長らに授業の中止を余儀なくさせるなどし、もって威力をもって業務を妨害した。
(4月・北海道)

【自殺幇助】
 被疑者A(無職・男・21歳)は、自殺志願者が集まるインターネットの掲示板に自殺者募集の投稿をし、それに応じた被疑者B(大学生・男・21歳)及び被害者らに対し多数回にわたる電子メール交換により、自殺に使う睡眠薬等準備、自殺場所等について打ち合わせるなどして、被害者に心中の決意を固めさせ、車両内で練炭を燃焼させ、一酸化炭素中毒死させた。
(4月・富山)

【有線電気通信法違反】
 被疑者(会社役員・男・37歳)は、自ら経営する出会い系サイトに係る広告宣伝メールを、実在の電気通信事業者のごとく送信者名・返信先メールアドレスを偽った上で、他人の無線LANを利用して不特定多数者に大量にメールを送信し、その間、同送信によって発生した約41万件のエラーメールが同事業者に返送されたことにより、同事業者のコンピュータの正常な働きが妨げられ、同事業者が提供するメール転送サービスを妨害した。
(4月・京都)

【賭博開帳図利】
 被疑者(会社役員・男・69歳)ほか4名は、インターネット上にホームページを開設し、ポイントと称して現金を事前に入金させ、携帯電話やパソコンでポイントを賭けさせる配当システムを構築した。また、このシステムを用いて賭客に対し、プロ野球試合の勝敗及び得失点の予想をさせ、システム利用料と称して手数料を徴収し、利益を得た。
(5月・大阪)


第2 サイバー犯罪等に関する相談受理状況

1 相談受理件数
(1)相談受理件数の推移
(単位:件)

H13
H14
H15
H16
H17
上半期
増減(上半期比較)
区分




上半期
   
詐欺・悪質商法に関する相談
(インターネット・オークション関係を除く)
1,963
3,193
20,738
35,329
14,923
29,107+14,184(+95%)

インターネット・オークションに関する相談

2,099
3,978
5,999
13,535
7,393
8,722+1,329(+18%)
違法・有害情報に関する相談
3,2822,2614,2254,1572,1852,704+519(+24%) 
名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談
2,2672,5662,6193,6851,7422,608+866(+50%) 
不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談
1,3351,2461,1472,1601,1392,065+926(+81%) 

迷惑メールに関する相談

2,647
2,130
2,329
3,946
1,960
2,043+83(+4%)
その他3,6843,9554,6977,8023,7243,230-494(-13%) 
合計
17,277
19,329
41,754
70,614
33,066
50,479+17,413(+53%)
 




 

(2)相談区分別の割合(平成17年上半期)



2 主な相談事例

(1) 
詐欺、悪質商法に関する相談

 身に覚えのない有料サイトの利用料金を請求するメールが届いた。

 メールが届いたのでメールに記載されたリンクをクリックしたところ、突然アダルト画像が表示され、その後料金請求のメールが届いた。
(2) 
インターネット・オークションに関する相談
【詐欺被害】

 オークションで落札し、代金を振り込んだが、商品が送られてこない。

 オークションで落札できなかったが、メールで直接取引を持ちかけられ、これに応じ代金を振り込んだが、商品が送られてこない。

 自分のオークションIDが他人に不正に利用され、架空商品を出品された。このため、落札者から苦情が来ている。
【違法品】

 オークションで不正コピー品、偽ブランド品が売られているのを見つけた。
(3) 
違法・有害情報に関する相談

 児童ポルノ画像を掲載しているホームページがある。

 インターネット上で特定の学校の生徒を殺すとの書込みを見つけた。防犯対策をして、犯人を捕まえて欲しい。

 インターネットの掲示板で自殺予告をしている人がいる。
(4) 
名誉毀損、誹謗中傷等に関する相談

 インターネット上に自分の個人情報を掲載され、悪口を書かれた。

 元の恋人から脅迫めいた嫌がらせメールが届いて迷惑している。
(5) 
不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談
【不正アクセス】

 ネットゲームのID・パスワードを盗まれて不正アクセスをされ、ゲーム上で集めたアイテムが持ち去られた。

 自分が管理するサーバが何者かに不正アクセスをされ、フィッシングのための偽のホームページを立ち上げられた。
【コンピュータウイルス】

 自分のパソコンがキーボードの入力を盗むスパイウエアに感染していたことが判明し、スパイウエアを削除したが、情報が漏えいしているおそれがあるため心配である。

 ウイルスに感染したメールがたくさん届いて迷惑している。
(6) 
迷惑メールに関する相談

 勧誘のメールが一日に何通も届いて迷惑である。

 チェーンメール(メールの複製を多数に送付するように促す又は脅かすメール)が届き困惑している。
(7) 
その他

 企業等を装ったフィッシングメールが届いた。


このほか、「インターネット安全・安心相談システム」においても、相談事例を紹介している。
URL :
http://www.npa.go.jp/cybersafety/