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平成17 年2 月24 日
警察庁

平成16 年のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について


サイバー犯罪の検挙件数
サイバー犯罪の検挙件数は2,081件で、前年と比べ約13%増加。
平成12年と比べ2倍以上の増加。




ネットワーク利用犯罪は1,884 件で検挙件数の約91%を占め、その中で詐欺が最も多い。

著作権法違反が2.0 倍に増加。インターネット・オークションを利用した事案が多い。

児童買春が約1.4 倍に増加。携帯電話を用い電子メールで児童と連絡を取るケースが増えている。


サイバー犯罪等に関する相談受理件数
都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口等が受理した相談受理件数は70,614件で、前年に比べ約1.7倍に増加。平成12年と比べ6倍以上に急増。




インターネット・オークションに関する相談が約2.3 倍に増加。代金を振り込んでも、品物を送ってこない事例が多い。

詐欺・悪質商法に関する相談が約1.7 倍に増加。架空請求・不当請求メールに関するものが多い。


推進した対策


複数の都道府県警察にわたるサイバー犯罪の取締りの調整等による効果的かつ効率的な捜査の推進

フィッシング110 番の設置、架空請求メールに関する広報啓発活動等、防犯対策の強化

「総合セキュリティ対策会議」の開催等による産業界等との連携強化

24 時間コンタクト・ポイントの運用、国際会議への参加等による外国関係機関との連携の強化

平成16 年のサイバー犯罪の検挙及び相談受理状況等について

第1 サイバー犯罪の検挙状況

1 検挙件数



※その他には、覚せい剤取締法違反等の薬物事犯、銃砲刀剣類所持等取締法、売春防止法、児童福祉法、商標法等の違反がある。
※ネットワーク利用犯罪の定義犯罪の構成要件に該当する行為についてネットワークを利用した犯罪、又は構成要件該当行為でないものの、犯罪の実行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用した犯罪をいう。例えば、児童買春については、ネットワーク上で連絡を取り合った者同士がネットワーク上において児童買春に合意し、児童買春に及んでいる場合に限って計上しており、青少年保護育成条例違反についても、これと同様の考え方に基づいて計上している。

2 サイバー犯罪のうち、ネットワーク利用犯罪の占める割合




3 平成16 年の主なサイバー犯罪検挙事例

不正アクセス禁止法違反事件

被疑者(無職・男・31 歳)は、インターネット・オークションを利用して金をだまし取る目的で、他人が使用するオークション・サービス用ID のパスワードを推測して不正アクセスした上、当該ID を使用して架空のオークション出品操作を行い、偽名で開設した口座等に現金を振り込ませる手口で、76 名から総額約900 万円をだまし取った。詐欺罪、私電磁的記録不正作出・同供用罪でも検挙。
(2月・埼玉、山形、茨城、京都、岡山)

被疑者(公務員・男・40 歳)は、公開のイベント会場において、セキュリティ・ホールを攻撃して社団法人のWeb サーバに不正アクセスし、処理情報を取得する手法を実演して、多数の参加者に公表した。さらに、イベント参加者が同手法をまねて同社団法人のWeb サーバに不正アクセスした。
(2月、3月・警視庁)


コンピュータ・電磁的記録対象犯罪

【電子計算機使用詐欺事件】
被疑者(無職・男・44 歳)は、インターネット・バンキングに不正アクセスし、元の勤務先会社名義の口座から配偶者名義の口座へ送金操作を行い、510 万円をだまし取った。不正アクセス禁止法違反、私電磁的記録不正作出・同供用罪でも検挙。
(2月・警視庁)

被疑者(建築業・男・41 歳)は、インターネット・カフェに設置されたパーソナル・コンピュータから、インターネット・バンキングに不正アクセスし、他人の口座から不正に開設した口座に送金操作を行い、総額約208 万円を窃取した。不正アクセス禁止法違反、組織犯罪処罰法違反、詐欺罪でも検挙。
(6月・兵庫)

【電子計算機損壊等業務妨害事件】
被疑者(会社員・男・34 歳)は、被害者が経営する店のホームページが公開されたサーバに不正アクセスし、ホームページに掲載されていたイベント情報などの掲示文を削除し、被害者の業務を妨害した。不正アクセス禁止法違反でも検挙。
(11月・和歌山)

【公電磁的記録不正作出・供用事件】
被疑者(元市役所納税管理課長・男・65 歳)ほか2 名は、市の納税管理課に設置されているコンピュータを操作し、同市役所で構築された税務オンラインシステムに虚偽の内容を入力し、人の事務処理の用に供した。
(6月・千葉)


ネットワーク利用犯罪
【詐欺事件】
被疑者(無職・男・35 歳)は、インターネット・オークションにパソコンを売るなどと虚偽の情報を掲載し、落札者162 人から総額約3 ,700 万円を銀行口座に振り込ませてだまし取った。
(1月・神奈川)

被疑者(グラフィックデザイナー・男・38 歳)は、他人が運営する出会い系サイトのサーバに不正アクセスして会員情報を入手したほか、同会員情報を利用して、多数の者に対し出会い系サイトの利用料金を請求する旨の虚偽の内容の電子メールを送信し、他人名義の口座に振り込ませる手口で81 人から約200 万円をだまし取った。不正アクセス禁止法違反でも検挙。
(6月・鹿児島)

被疑者(無職・女・28 歳)は、クレジットカード利用者の個人情報を利用した詐欺を企てていた犯罪グループの求めに応じて、以前に勤務していた会社から約180 人分の個人情報を盗み出し、詐欺に使用されることを知りながらインターネットを通じて1 件1 万円で販売した。詐欺の幇助被疑者として検挙。
(9月・警視庁)

【児童買春・児童ポルノ法違反事件】
被疑者(会社員・男・37 歳)は、インターネットの掲示板で知り合った女子中学生と携帯電話のメールを通じて「現金で性交すること」を約束し、市内のホテルにおいて児童買春した。
(6月・長野)

被疑者(会社員・男・40歳)は、インターネットの掲示板に「遊んでくれる人募集」と掲載した女子高校生に対し、インターネットを通じて「現金4万円で性交すること」を約束し、市内のホテルにおいて児童買春した。
(6月・長崎)

被疑者(会社員・男・24 歳)は、インターネット上に公開していたウェブサイトの電子掲示板に児童ポルノ画像データを投稿し、閲覧者が自由に利用できるようにした。児童ポルノ提供罪で検挙。
(9月・富山)

【著作権法違反事件】
被疑者(カラオケ機器リース業・男・40 歳)ほか2 名は、通信カラオケ会社から通信カラオケ用楽曲データを不正に入手の上、当該楽曲データをスナック等に配信し、著作権を侵害した。電子計算機損壊等業務妨害でも検挙。
(11月・愛知)

※平成15 年の検挙件数に入っているものの、平成16 年に入ってから引き続き検挙した事件として以下のものがあった。映画のデータ等をインターネット上で公開し、不特定多数の者が自由にダウンロードすることのできるファイル共有ソフト「Winny 」を開発、無償提供した大学研究員を著作権法(公衆送信権の侵害)違反の幇助で検挙。
(5月・京都)

【わいせつ物頒布等事件】
被疑者(会社員・男・23 歳)は、ファイル共有ソフト「WinMX 」を使用して収集したわいせつな動画ファイルをインターネット・オークションに出品し、全国128 人の落札者に販売した。
(1月・栃木)

【脅迫事件】
被疑少年(高校生・男・16 歳)は、インターネットサイトの掲示板に「今週の日曜、日、××郵便局に討ち入る。止める気でいるなら頑張りたまえ」等の書き込みをして脅迫した。
(5月・群馬)

【名誉毀損事件】
被疑者(公務員・男・34 歳)は、被害者の女性との性交場面を撮影したわいせつな図画等を、ファイル共有ソフト「WinMX 」を利用してインターネットで自由に閲覧できるようにして、被害者の名誉を毀損した。
(2月・愛知)

【威力業務妨害事件】
被疑者(アルバイト作業員・男・28 歳)は、インターネットの掲示板に「明日、大、阪の方の小学生等を殺害しまくります」などと書き込んで、大阪府下の小学校に授業の。中止等の緊急措置を余儀なくさせ、教育業務を妨害した。
(6月・大阪)

【商標法違反事件】
被疑者(会社役員・男・29 歳)ほか1 名は、外国有名ブランドに類似する商標を付した腕時計を、インターネット・オークションを利用して販売した。
(6月・宮城)

【銃刀法違反事件】
被疑者(会社員・男・29 歳)は、インターネット・オークションに回転弾倉式けん銃1丁を出品し、落札者に代金3 ,000 円で密売した。
(12月・埼玉)

【覚せい剤取締法違反事件】
被疑者(無職・男・38 歳)は、インターネットの掲示板に「覚せい剤売ります」な。どと書き込み、銀行口座に代金を振り込ませ覚せい剤を密売した。
(8月・石川)

【ストーカー規制法違反事件】
被疑者(無職・男・30 歳)は、交際を拒まれた女性の職場のパソコンに、携帯電話を用いて「早く出てこんや」などのメールを執拗に送信し、ストーカー行為を行った。
(11月・熊本)

【自殺幇助】
被疑者(店員・男・30 歳)は、インターネット掲示板に「一緒に最後を過ごしてくれる方はいませんか」などと書き込んだ被害者に対し「一緒に逝ってください、七輪、豆炭、ホース等は準備できました」旨の電子メールを多数回にわたり送信して被害者に心中の決意を固めさせ車両内で豆炭を燃焼させるなどして同人を一酸化炭素中毒死させた。
(10月・静岡)


第2 サイバー犯罪等に関する相談受理状況

1 相談受理件数

(1)相談受理件数の推移



(2) (1)のうち架空請求・不当請求メールに関する相談受理件数



※(1)の「詐欺・悪質商法」、「違法・有害情報」、「迷惑メール」、「その他」にそれぞれ計上されているもののうち、架空請求・不当請求メールにも当たるものの数

(3)相談区分別の割合(平成16年)



2 主な相談事例

(1)詐欺、悪質商法に関する相談

【架空請求・不当請求メール】

債権回収代行業者から、使った覚えがないインターネット・コンテンツ利用料を請求するメールが届いた。

登録した覚えもないのに、「仮登録状態です。退会手続きをしてください。」などというメールが届く。退会手続きでは個人情報を入れるようになっている。

携帯電話に届いたメールに書かれたアドレスにアクセスしただけで、数万円の料金請求をされた。言われるままに支払ったら、さらに高額な請求をされた。

アダルトサイトのページを開き、「登録しますか?」との表示に対し、「いいえ」を押したが、勝手に「登録されました。3 日以内に3万円を振り込んで下さい」との表示が出た。

【個人売買】

ホームページ上で資格講座テキストの購入契約をして17 万円を相手口座に振り込んだが、商品がなくなったので代換物で勘弁してほしいといわれ、拒否して返金を求めたところ、音信不通になって返金されない。

(2)インターネット・オークションに関する相談

【詐欺被害】

インターネット・オークションにて落札し、代金を振り込んだが品物が届かない。そのうち相手との連絡も取れなくなった。

インターネット・オークションにて落札できなかったが、その後「落札者がキャンセルした」との連絡があり直接取引を持ちかけられた。これに応じて代金を振り込んだが、品物が届かない。相手との連絡も取れなくなった。

インターネット・オークションにて落札できなかったが、その後「落札者がキャンセルした」との連絡があり直接取引を持ちかけられた。これに応じて代金を振り込んだが、品物が届かない。相手との連絡も取れなくなった。

【違法品】

コンピュータ・ソフトウエア、音楽CDを落札し、品物が送られてきたが、違法にコピーされたものであった。

(3)違法・有害情報に関する相談


インターネット・オークションに違法な品物(児童ポルノ画像、けん銃、違法コピーソフト等)が出品されている。

インターネットの書き込みに「登校中の小学生でも襲ってくるか。包丁でメッタ刺しにしてくるか。」とあった。犯行予告かも知れないのでお知らせします。

掲示板に自殺を予告する書き込みがあった。

個人情報の入力を求める金融機関の偽のホームページを発見した。フィッシングじゃないか。

(4)迷惑メールに関する相談


広告メールがたくさん届き、迷惑している。

携帯電話に広告メールが頻繁に送られてくるが、その中に送信者のメールアドレスが自分のメールアドレスになっているものがある。自分のメールアドレスが迷惑メールの発信元となっているのではないか心配だ。

迷惑メールが来たので内容確認のためにクリックしてみたら自動的に入会扱いの表示となった。

(5)名誉毀損、誹謗中傷に関する相談


自分が開設しているホームページに掲載していた自分の顔写真が別の掲示板に勝手に載せられており、中傷するような書込がされていた。

出会い系サイトで知り合った女性とメール交換をし、住所や携帯電話番号、学校名、顔写真等を送ったが、その後「住所を売る」、「画像や名前をネットで公開する」等の脅迫するメールが送られてきた。

(6)不正アクセス、コンピュータウイルスに関する相談

【不正アクセス】

インターネット・オークションに自分のID ・パスワードを使っても入れなくなり、その後、「あなたのID で詐欺被害にあった」との電話がくるようになった。誰かにID ・パスワードを乗っ取られたらしい。

オンラインゲームにログインしたところ、自分がそれまで入手していたアイテムとゲーム上の通貨が無くなっていた。運営会社に問い合わせたところ、何者かが不正にログインしていたことが判明した。

【ウイルス等】

ホームページを閲覧したところ、スパイウエア(広告やマーケティングのための情報収集等の目的で個人のパソコンにインストールされるソフトウエア)がインストールされてしまった。

身に覚えのないメールを開いたところウイルスに感染し、多数の友人宛にウイルスメールが送信されてしまった。

(7)その他

サーバの管理及び運営等をしているが、顧客のサーバ名を騙って出会い系サイトの宣伝メールが送付され、到達不能のメールが1 万件くらい届き、業務を妨害された。

出会い系サイトに会員登録後、料金前払い制のサイトだと分かったため退会しようとしたが、連絡先や退会方法がホームページには明記されていないため手続きできない。

3 警察の対応

警察では、相談された事案が刑罰法令に抵触する場合には検挙等の措置を講じることはもとより、刑罰法令に抵触しない場合であっても防犯指導、相手方に対する指導・警告等を行うことにより、サイバー犯罪等による被害の未然防止の徹底を図っている。
また、警察庁や各都道府県警察では、ホームページ等においても、警察の施策や最新のセキュリティ情報などについて、随時情報提供を行っている。