「情報セキュリティビジョン策定委員会報告書~安全なネットワーク社会を目指して~
について

1 経緯 (1) 平成9年6月に、辻井重男 中央大学理工学部教授を委員長とし、学界、金融機関、情報セキュリティ産業界等から参加するメンバーから成る「情報セキュリティビジョン策定委員会」を(財)社会安全研究財団(*)に設置。

(2) 委員会では、暗号技術の不正利用対策を中心とした情報セキュリティ施策の在り方について諸外国における施策の実施状況等を踏まえつつ検討を行い、その結果を平成10年2月、報告書としてまとめた。2 委員会の構成
 
委員長
辻井 重男 氏
中央大学理工学部教授
委員
渥美 東洋 氏
中央大学総合政策学部教授
委員
石黒 一憲 氏
東京大学法学部教授
委員
今井 秀樹 氏
東京大学生産技術研究所教授
委員
多賀谷 一照 氏
千葉大学法経学部教授
委員
中島 茂 氏
弁護士
委員
森田 宏樹 氏
東北大学法学部助教授
委員
安冨 潔 氏
慶応義塾大学法学部教授
委員
小堀 豊
警察庁生活安全企画課長
その他金融機関、クレジットカード業界、情報セキュリティ産業関係者4名
3 報告書の内容(1) ネットワークに係る犯罪の防止のためには、暗号技術の普及のための施策とともに、暗号技術の不正利用防止のための施策を講ずることが必要であり、暗号技術の不正利用対策を講ずるに当たっては、特に、次の事項に関する制度的枠組みの導入を行うことが必要。
 ア 鍵回復機関及び認証機関の適格性及び業務の適正性の確保
イ キーリカバリー機能の確保(2) 暗号技術の不正利用防止のため、諸外国においては、既に認証機関及び鍵回復機関に係る登録制度の導入やキーリカバリー機能の確保のための枠組み等制度的枠組みの整備が進められつつある。

(3) 発生した犯罪の取締りを行うだけではなく、暗号技術の不正利用対策、不正アクセスの禁止等ネットワークに係る犯罪の発生自体を防止するための諸措置を網羅した「ネットワーク犯罪防止法」を整備することが喫緊の課題。

4 今後の警察庁の取り組み

 警察庁においては、ネットワークに係る犯罪防止の観点から次のような取組みを進める。 (1) 関係各方面への報告書を用いた広報・啓発活動の推進


 報告書を用いて関係各方面の有識者、電子商取引を行う企業・金融機関・情報セキュリティ産業界、関係省庁及び消費者団体等に対して犯罪防止の観点を十分に踏まえたネットワーク社会の制度的枠組みを整備する必要性についての広報・啓発活動を推進。

(2) ネットワーク社会の制度的枠組みの構築のための関係各方面との連携、協議の推進
 現在関係省庁等において様々な観点からネットワーク社会の制度的枠組みについて検討が行われているが、この制度的枠組みは国として統一的なものとすべきであることから、関係省庁、関係各方面の有識者、関係産業界等との連携を図りながら、ネットワーク社会の具体的な制度的枠組みの在り方についての協議を推進。

(3) ネットワークに係る犯罪の被害防止のための啓発・相談活動の推進
 ネットワークに係る犯罪防止のため、ネットワークの適切な利用の在り方等についてネットワーク利用者に対する広報啓発活動を推進するほか、ネットワークに係る犯罪の被害実態の把握と被害者に対する適切な対応等を図るため、都道府県警察における相談及び広報啓発等の業務が適切に行われるよう指導を強化する。



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