平 成 1 5 年 2 月
警察庁生活安全局
 
   「障害者に係る欠格事由の見直し等に関する警備業の要件に関する規則等の一部改正試案」に対する意見の募集の結果について
 
 警察庁は、平成15年1月24日(金)から2月19日(水)までの間、「障害者に係る欠格事由の見直し等に関する警備業の要件に関する規則等の一部改正試案」に対する意見の募集を行いました。頂いた御意見の要旨及びそれに対する警察庁の考え方を以下のとおりまとめましたので、公表いたします。
 
1 意見の総数
  4件
 
2 本件試案に対する御意見の要旨とそれに対する警察庁の考え方
(1) 心身の障害により業務を適正に行うことができない者について
試案に直接関係する御意見はありませんでした。
 
(2) 警備員等の検定の受検欠格の見直しについて
ア 精神病者に係る受検欠格の廃止について
<頂いた御意見の要旨>
障害を理由とする受検の欠格条項は、当然、廃止すべきものである。
<御意見に対する警察庁の考え方>
頂いた御意見等を踏まえ、精神病者に係る受検の欠格事由を廃止することとします。
 
<頂いた御意見の要旨>
警備員になれない者に検定の門戸を開くべきではない。
<御意見に対する警察庁の考え方>
検定の受検時に精神機能の障害により業務を適正に行うことができない者でも、その後の治療等により欠格事由に該当しないこととなれば警備員となることができますので、障害者の社会活動への参加の促進等の要請を尊重して、精神病者に係る受検の欠格事由を廃止することが適当と考えられます。
 
<頂いた御意見の要旨>
公共事業の現場において検定合格者の配置による「安全・安心対策の向上」を図っている現状に逆行する改正ではないか。
<御意見に対する警察庁の考え方>
精神病者に係る受検の欠格事由を廃止しても、検定合格者の水準の低下をもたらすものではありませんので、御懸念は当たらないと考えられます。
 
イ 受検の年齢制限の廃止について
<頂いた御意見の要旨>
警備員になり得ない18歳未満の者を予め検定のみ実施することは、資格のみ取得するマニアを喜ばせるだけで質の高い警備員の確保にはならない。
<御意見に対する警察庁の考え方>
検定に合格すれば警備業者がその者に新任教育を行う義務が免除される利点もあり、18歳未満の検定合格者が18歳に達すれば、警備業者に採用されて警備員になることが期待できるものと考えられます。
 
<頂いた御意見の要旨>
他の資格試験と比較した現在の検定制度の教育内容の水準では、優秀な警備員を確保・育成できるのか強い不安が残るので、受検の年齢制限の廃止は早過ぎるのではないか。
<御意見に対する警察庁の考え方>
検定制度においては、警備業務を適正に実施するために必要な知識及び能力の有無が適切に判定されており、御懸念は当たらないと考えられます。
 
 (3) 不適格者が警備業務に従事することの防止について
<頂いた御意見の要旨>
業者の中には、診断書、履歴書、面接結果表、住民票とか具体的に例示を示さないと実行しないものが多い。
<御意見に対する警察庁の考え方>
試案のとおり改正することにより、警察において、警備業者が講じた措置の実態を把握し、指導監督をより適切に行ってまいります。
 
<頂いた御意見の要旨>
試案については賛成であるが、虚偽記載等の違法行為は容易でないか。
<御意見に対する警察庁の考え方>
警察が立入検査等を実施した際に、虚偽記載等の違法行為があった場合には、行政処分、刑事罰等により対処することとなります。
 
<頂いた御意見の要旨>
この試案では、「精神障害者=業務を適正に遂行できない」との見方を上塗りして徹底するという悪影響を及ぼしかねず、「障害者に係る欠格条項の見直しについて」の本旨に反する。
<御意見に対する警察庁の考え方>
精神病者に係る警備業者等の欠格事由は、「障害者に係る欠格条項の見直しについて」に基づいて見直されておりますので、御懸念は当たらないと考えられます。
 
 (4) 基地局備付け書類の記載内容の明確化について
<頂いた御意見の要旨>
時間を正確に把握するためにどのような制度を取り入れるのか。
<御意見に対する警察庁の考え方>
警察は立入検査等を通じて基地局備付け書類の状況を把握することとなりますが、虚偽の時間の記載があった場合には、行政処分、刑事罰等により対処することとなります。
 
 (5) 本件試案と直接関係のない主な御意見
<頂いた御意見の要旨>
○ 障害者観から見直して欠格条項を削除すべきであり、引き続き、年限を設けた見直し作業が必要である。
○ 検定に合格した警備員を定着させるため、検定制度を厳しくする一方、道路交通法上の一定の権限を付与するなど、警備員の地位の確立を図るべきである。
○ 警備業の認定条件をより厳格にすべきである。
○ 事件解決に貢献すべく、警備員教育を強化すべきである。
○ 警備業法を改正し、重要事件の実報を受けた警備業者の警備員が対処するだけでなく、これを傍受した警察本部が、警備業者各社に指令して警戒、検索に当たれるようにすべきである。
 
  御協力ありがとうございました。