泉国家公安委員会委員長の開会あいさつ

本日ここに2008年G8司法・内務大臣会議を開催できることを大変うれしく思います。

日本で初めてこの会議を開催するに当たり、遠路はるばる東京までお越しくださったG8各国の司法・内務担当大臣、欧州委員会の代表、欧州連合議長国の両大臣及びICPO事務総長を始めとする参加者の方々に対しまして、心から歓迎し、御礼申し上げます。

御案内のとおり、G8司法・内務大臣会議は、1997年に米国において第1回会議が開催されました。2001年以降はG8議長国において毎年開催されており、今年はその第10回目になります。この記念すべき会議を、我が国が主催することは大変光栄であります。それとともに、議長国としての責任の重さを改めて実感している次第です。

さて、昨今の国際テロや国際組織犯罪をめぐる情勢は、極めて深刻であります。何の罪もない多くの市民が犠牲となるテロ行為については、2001年9月の米国同時多発テロ事件以降とどまるところを知りません。また、国際組織犯罪については、経済社会活動の拡大、インターネット等を始めとする情報通信技術の発達及び普及等に伴い、世界的な規模で敢行されております。

このように国境を越えて蔓延する国際テロ及び国際組織犯罪に対し、実効の上がる取組みを実施するためには、G8各国が連携と協調を図ることで、現状に対する認識を共有するとともに、時宜にかなった対抗策を打ち出していく必要があります。特に、抜け穴をふさぐという観点から、法制度の基盤整備及び法執行能力の構築が遅れている国に対する具体的な働き掛けが重要であります。

このような認識の下、我々は、議長国として、この2日間を、国際テロ及び国際組織犯罪に対する取締りのための基盤を強化し、かつ、G8各国を始めとする世界各国との連携と協調を推進するための絶好の機会と捉えています。国際社会における治安対策をリードする方々が一堂に会し、忌憚のない建設的な議論を行い、会議の成果が、各国の治安対策を結実させる一助となることを心から願っております。

福田内閣総理大臣も、来月の北海道洞爺湖サミットでの議論を控え、本会議を、我々G8が国際テロ対策等をリードするための重要なステップとしてもらいたいと申しております。

なお、議論の一助とするため、本会議では、国連薬物犯罪事務所及び国連アジア極東犯罪防止研修所から、関連のセッションにおいてプレゼンテーションを行っていただく予定です。各機関の関係者に対する謝意とともに、ここに御紹介いたします。また、本会議のために準備を進めてきたG8ローマ/リヨン・グループを始めとするG8各国の専門家によるこれまでの取組みに対しても敬意を表したいと思います。

会議日程は、我々の取り扱う問題の重大さと複雑さを反映し、非常にタイトになっておりますので、円滑な会議運営に御協力いただけるよう、この場を借りて皆様にお願いいたします。

最後に、この季節は、我が国にとって、うっとうしい雨の多い時候ではあります。しかし、日本人は、この雨をも季節の移り変わりを感じさせる風物詩として、生活の中に受け入れて参りました。

多忙な日程の中ではありますが、我が国らしさを感じていただくための心尽くしのプログラムも御用意いたしました。皆様にとって、本会議が我が国の自然、伝統及び文化に触れていただくよい機会にもなることを祈念しつつ、開会に当たっての私のあいさつといたします。

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