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専門家に直撃!大麻乱用のリアル

大麻を使うとどうなる? なぜ大麻を使ってはいけない? キミはこの質問に答えられるか。イメージだけでは自分も周りも納得させられない。薬物依存を研究する専門家から大麻を巡るリアルを聞こう。

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①  大麻乱用のリアル
      ―DOTAMAを模したキャラ(タマちゃん)と吉田凜音を模したキャラ(リンちゃん)が話している
      タマちゃん「リンちゃん」
      リンちゃん「なあに、タマちゃん」
      タマちゃん「大麻って、見たことある?」
      リンちゃん「実物を?ないわね」
      タマちゃん「僕も。海外映画の中で吸ってるのを見るくらい」
      ―大麻を吸っている外国人のイメージ
      リンちゃん「きっと、日本ではあまり出回ってないのね」

      タマちゃん「それがさ、すごく増えてるらしいんだ。5年前に比べると大麻で捕まる人が倍以上に増えてる」
      ―検挙数が増加してるグラフ
      リンちゃん「特に若い人が増えてるのね、やだな。」
      ―年齢別の検挙数推移のグラフ
      リンちゃん「大麻は安全なんて変なウワサに流されちゃうのかな?」

      タマちゃん「正しい知識が無いと、誘われた時に「ちょっとだけならいいかな」って思っちゃうんだよね」
      リンちゃん「でも何が正しいかなんてわからないよね、タマちゃんちょっと試してみて?」
      ―タマちゃん焦って
      タマちゃん「さらっと怖いこと言うね。こう言うのは一度使ったらやめられなくなるんだよ?」
      ―リンちゃんの後ろに控える警官たち
      リンちゃん「大丈夫、すぐやめられるようにお巡りさん呼んでるから」
      ―捕まるタマちゃん、涙を流しながら
      タマちゃん「うん、それは安心だ」

お話を聞いた人

星薬科大学 鈴木勉特任教授

薬学博士。 WHO薬物依存専門会議委員。
薬物依存や緩和医療についての研究を重ね、
星薬科大学薬物依存研究室特任教授を務める。
趣味は写真、テニス、スキー

鈴木勉特任教授の顔写真

大麻の悪影響はあとからやってくる!

タマちゃん

どうして大麻をやっちゃいけないんですか?

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大麻にはTHC(テトラヒドロカンナビノール)という成分が含まれています。これがさまざまな精神症状を引き起こすのです。ひとつの症状として攻撃性が高まることがわかっています。THCを投与したラットは外界の刺激に過敏になって、ゲージの中に棒を入れただけでも噛みついてくるんです。

タマちゃん

人間もそんな風になっちゃうんだ……

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一方で、精神を過剰に抑制する面もあります。カタレプシーという症状があって、日本語でいうと「鉱物化」と言うんですが、手を挙げたら挙げたままになって動けなくなってしまう。鉱物のように固まってしまうんですね。

タマちゃん

大麻をやめたら、そういう怖い症状はすぐになくなるんですよね?

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いいえ。そうではないんです。大麻を繰り返し大量に摂取したことによる「大麻精神病」というものが病名として認められています。特に若い人は脳がまだ発達段階で、大人の完成した脳よりも弱い。なので若い頃に大麻を使うと、後になって精神症状が出てくることがあるんです。大麻が合法化されているカナダでも19歳以下に大麻を使わせると厳罰を受けます。

タマちゃん

じゃあ1回くらいなら丈夫?

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そんな風にコントロールができないのが薬物依存の恐ろしいところなんです。
1回でもやるとまたほしくなる。これを強化効果と言って、薬物を摂取する行動を強めてしまうんです。

タマちゃん

ウワサで「大麻は依存症になりにくい」って聞いたんですけど

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大麻でも依存症にはなります。身体症状が出にくいので依存症になっていることに気づいていないこともあるでしょう。「大麻は依存症になりにくい」という間違ったイメージがあるせいで気軽に大麻に手を出してしまい、やがてもっと強い刺激を求めてほかの薬物に移行するケースが後を絶ちません。そのため大麻は「ゲートウェイドラッグ」と呼ばれています。特に若い人ほどハマりやすいんです。

タマちゃん

若いうちなら早めにやめたら将来に影響はないのかなって思ってたけど……

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若い人は精神的にも肉体的にもこれから育っていく発達過程にあることを自覚してもらいたいです。その時期に薬物のような刺激を与えると、遺伝子に傷がついて、先ほどお話した「大麻精神病」のように後々影響が出てくることがあります。

依存症になると薬物に人生を支配される!

タマちゃん

薬物依存症になったら、どういう状態になるんですか?

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簡単に言えば、薬物によって自分の生活が支配されてしまう状態です。常に薬物のことを考えていて、お金を得たらすぐ薬物につぎこむように。薬物探索行動といって、薬物を探し求めてあちこちあさるような行動もみられます。つまり、自分のお金も時間もすべて薬物のために使ってしまう。生活の最優先事項が薬物になるということです。

タマちゃん

生活がめちゃくちゃになっちゃう! 自分で「やめよう!」と強い意志を持てばやめられませんか?

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依存症の治療はそんなに簡単ではありません。日本で依存症の治療ができる医療機関は数えるほどしかありませんし、治療ができる専門医も10名程度しかいないんです。特効薬もありません。治療はとても困難です。

タマちゃん

なんで生活がめちゃくちゃになって依存症も簡単に治せないのに大麻や薬物をやっちゃう人がいるんでしょうか?

鈴木先生の顔写真

快楽物質といわれるドーパミンが大量に分泌され一時的な刺激を求めてしまうんでしょう。でもドーパミンは薬物以外でも分泌されます。自分にとって心地いいことをすると脳の「報酬系」と呼ばれる回路が活性化されてドーパミンが分泌されるんです。僕の場合は冬だとスキーかな(笑)。

タマちゃん

そうか。自分が打ち込めることを見つけて、それでドーパミンが分泌されて、将来にもつながるんだったら、そのほうが絶対いいですよね。

鈴木先生の顔写真

そうですね。報酬系が満たされていれば、もし薬物をやらないかと誘われても受け入れずにすむはずです。薬物に誘うような仲間はありえませんが、家族や友達、恋人などがまわりにいて孤独な環境でないことも大切です。

タマちゃん

何か打ち込んで、心から通じ合える仲間をつくる。それが大麻を遠ざける一番の方法ってことですね。

好きな生き方で生きたい でもルールはちゃんと守りたい 好きな生き方で生きたい でもルールはちゃんと守りたい